回転方向を変換するかさ歯車は紀元前から使用されている重要な機械要素である。一方でかさ歯車は、歯面形状が一義的に定められるインボリュート円筒歯車とは異なり、歯切法によって歯面形状が変わるので、歯切法を含めて理解する必要がある。 今回の講義では、動画の使用を含めて各種の歯切り法の詳細を説明する。またかさ歯車は加工工程が長く複雑であるので適切な工程管理が不可欠である。工程管理のポイントを説明するとともに、歯面形状測定技術を用いる新たな管理法を説明する。かさ歯車のうち大小歯車の軸が交差しないものをハイポイドギヤと呼ぶが、このギヤが低騒音及び高強度の利点を有することを説明する。かさ歯車に類似の歯車として、ウオームとフェースギヤがある。ウオームは、高い減速比を得ることが出来る特長がある。設計法と新たな強度計算法を説明する。フェースギヤは、小歯車としてインボリュート円筒歯車を用いるものであり実用化が進んでいる。設計法と性能解析法を説明する。