本セミナーは、車載モータの高トルク化・トルク計算、EV用モータの高出力化、インホイールモータに適した構造と高トルク化、主な車載用モータの構成と要求性能、モータの各種要求性能の測定確認と評価について解説いたします。
電磁力を応用した電磁アクチュエータは人類の利便性の追求からその使用量は増加し続け、その中でも永久磁石式モータが制御性や効率の良さから顕著に増加している。自動車もハイブリッド車、電気自動車と電動モータの採用が増加している。これら電動機に代表されるアクチュエータは小形、高トルク、高効率が最近特に環境問題等から強く求められている。その高トルク化、高効率化にはその構造と磁性材料が大きなウエイトを占める。 電磁アクチュエータの磁気回路となる軟磁性材料には従来より珪素鋼鈑が主流であるが、軟磁性鉄粉を樹脂コーテング後加圧熱処理した圧粉鉄心は3次元構造が可能で、更に渦電流損がないので、電磁アクチュエータの高トルク化、高効率化、小形化に適したものである。即ち圧粉鉄心の採用でモータは大きく改善可能である。 講師は永年にわたり日本電産サーボ (株) で2相、3相ステッピングモータ等の開発をし、現在は日本ピストンリング (株) で圧粉鉄心の回転電機への応用研究を続けている。その間にDCモータ、SRモータ、BLDCモータ、アキシャル式SRモータ、アキシャル式BLDCモータ等を試作して珪素鋼鈑式と圧粉式を比較して、いずれも圧粉式で優れた特性を確認した。更に世界初のアキシャル式立体エアギャップ式SR及びBLDCモータを試作して1.5~2倍の高トルク化に成功した。またその設計法を確立させた。そして低騒音で低温度上昇も確認した。またそのインホイールモータ化を車載用にも検討している。 本セミナーでは、高トルク化、高効率化を狙った圧粉鉄心モータの設計法と開発留意点をわかりやすく解説する。設計は容易に電卓で数値計算できるものである。また前述の世界初の新構造モータでトルク2倍や出力2倍モータを紹介する。 本講で述べる内容は市販のモータ技術書には見当たらない貴重な内容と自負している。 講師は日本電産サーボ (株) の技師長を永らく勤め、ステッピングモータの構造に関する研究で博士号を取り、群馬大学、足利工大の非常勤講師を兼務し、現在は足利工大学客員研究員、及び日本ピストンリング (株) の技術アドバイザーをしている。本セミナではメーカーでの設計開発と大学での教鞭の経験を活かして実用的で分かりやすいセミナーを実施する。