熱膨張の材料機能・デバイス特性への影響および測定・制御方法

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本セミナーでは、熱膨張・熱収縮挙動の基礎から計測・評価まで、制御技術の実例を踏まえて詳解いたします。

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プログラム

材料の熱膨張は実用にあたり大きく考慮すべきものとなっている。本講演ではまず熱膨張係数が材料特性やデバイスの作製にどのような影響を与えるかを紹介する。また熱膨張の起源および熱膨張が熱力学からどのように説明可能かを解説する。さらに結晶構造や磁性相転移が熱膨張に与える影響、ガス相との相互作用による還元膨張 (化学膨張) の紹介、実際の熱膨張測定方法と測定にあたっての注意事項も講演する。  具体的なトピックスとしては負の熱膨張を持つ物質の紹介、これと正の熱膨張を持つ物質との複合化による熱膨張制御の可能性、相転移を制御したゼロ熱膨張材料の作製の試みも紹介する。

  1. 熱膨張のサイエンス
    1. 熱膨張・熱膨張係数の定義
      • 文献値を用いる場合の注意
    2. 熱膨張の起源
      • 格子振動によるものと不定比性発生によるもの
    3. 熱膨張と熱力学の関係
      • 熱膨張とギブス自由エネルギー、特に熱力学第三法則と熱膨張の関係
    4. 相転移と熱膨張
      • 相転移の次数と熱膨張係数
    5. よく勘違いされる例 (私見)
      • 純粋な熱膨張・収縮と構造相転移により、一見熱膨張・収縮のように見えるものの違い
  2. 熱膨張のデバイス特性に与える影響
    1. 薄膜の合成にあたっての注意点
      1. 基板の熱膨張測定
      2. 薄膜のひび割れの問題
    2. 光学部品への影響
      1. 熱膨張による光学部品の位置ずれ
      2. 光ファイバーのフェルルの膨張の問題
    3. 電子材料部品への影響
      1. 電子材料封止剤の熱膨張の問題
  3. 熱膨張挙動の測定方法
    1. X線回折・中性子回折測定による熱膨張挙動の評価
    2. 熱膨張計を用いた熱膨張挙動の評価
      1. 絶対値を求める方法
      2. 相対値を求める方法
    3. 測定にあたっての注意点
      1. 回折法での測定条件の選定について
      2. 熱膨張計での押し棒・支持管の選定について
    4. 評価手法による熱膨張挙動の違い
      1. 熱膨張から熱膨張係数への変換
      2. 熱膨張率の精度
      3. 体積熱膨張率と線熱膨張率の換算における注意点
  4. 熱膨張測定の実際
    1. 熱力学第三法則の影響
      • 特に低温での測定に関して
    2. 相転移の熱膨張挙動に与える影響
      1. 一次結晶構造相転移と熱膨張挙動
      2. 二次結晶構造相転移と熱膨張挙動
      3. 磁気相転移と熱膨張挙動
    3. 格子の膨張と化学膨張
      • 酸素不定比性による還元膨張とその評価法
      • 化学膨張係数の提案
  5. 負の熱膨張材料
    1. 負の熱膨張材料、ZrW2O8の合成
      1. プレスフリーでの大量合成
      2. 溶融急冷による高密度複合体の合成
    2. ZrW2O8の熱収縮挙動の実際。相転移と熱膨張
    3. Al2 (WO4) 3系材料の熱膨張特性。相転移制御によるゼロ膨張制御
  6. 熱膨張特性の制御方法
    1. 複合化によるゼロ膨張材料の作製
      1. 正の熱膨張材料と負の熱膨張材料の共焼結
      2. 高分子・接着剤材料とZrW2O8の複合化
      3. 溶融急冷法による複合体の合成
    2. カチオン部分置換による構造相転移・熱膨張挙動の制御
      1. 燃料電池材料LaCrO3の相転移温度の制御
      2. Al2 (WO4) 3のカチオン置換による相転移温度制御
  7. 熱膨張制御のためクリアすべき問題点

会場

東宝土地 株式会社 高橋ビルヂング
101-0051 東京都 千代田区 神田神保町3-2
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