最近の円高傾向、原油価格の下落、消費税の引き上げ、株式市場の不安定化によって、市場は不確定な要素が増加している。また、世界を見てみると、中国の景気減速、ギリシャの債務問題、米国の景気停滞気配、ロシアなど資源国の景気低迷など様々な不確定要素がみられる。これらを踏まえ、企業にとっての財務体質の強化、コスト経営など経費・原価の低減、さらに各企業の経営課題の解決、成長戦略の実施が急務となっている。 成長戦略は、企業の収益性の確保、売り上げの増大等の目標を達成するために、研究開発の多角的な成果が期待されている。特に長期的な研究開発における費用と収益予測の確実性が求められる。よって、中期・長期の技術戦略策定が重要とされ、中期・長期の目標設定、中期長期の技術計画の策定及び実施、それらにかかわる研究開発投資、技術ポートフォリオ、技術ロードマップが主要な要素となる。 本講演では、技術戦略策定の考え方と運用の実務として、技術戦略の位置付け・考え方・策定順序などのフレームワーク及びその技術戦略を基にした技術計画の策定と実施について概説する。