本セミナーでは、少ないフィラーで高い導電性を得るパーコレーションの形成技術について詳解いたします。
(2016年4月12日 11:00〜12:30)
導電性フィラーとポリマーからなる導電性複合材料の開発に当たって、最も重要な導電性フィラーのポリマー中での分散性と導電性発現の関係をパーコレーション理論をベースに解説します。初めに、パーコレーション理論の基礎及び導電機構モデルについて紹介し次いで、フィラーの表面処理及びポリマーラテックスなど粒状ポリマーを用いたフィラーの局在化法について具体例を挙げて詳細に解説します。
(2016年4月12日 13:15〜14:45)
カーボンナノチューブ (CNT) をはじめとするナノカーボン材料は、力学的、電気的に優れた特性を樹脂に付与するナノコンポジット素材として用いられてきています。 非相溶性の樹脂をブレンドすると相分離が生じますが、このような系にナノカーボンを添加すると、樹脂の組み合わせにより、一方の相にナノカーボンが移行、局在化する現象が起こります。それによって、局所的にナノカーボンの濃度が大きくなり、少量の添加でナノカーボンに由来する特性が発現する場合があります。 本研究では、この性質を利用して、樹脂ブレンドにおいて、一方の相にナノカーボンを分散・局在化させると共に、モルフォロジーを制御する技術を開発しています。制御された相分離構造を持つ樹脂ブレンドと、ナノカーボンを組み合わせることで、少量の添加で導電性などの特性を向上させるような複合化技術を確立することを目指します。
(2016年4月12日 14:30〜16:00)
高分子複合材料の物性研究において、試料作成条件と材料物性とが相関することが知られている。概ねフィラーの分散や配向という言葉で論じられるが、肝心の分散や配向の定義があいまいで、定性的な議論に終始することが多い。我々は2次元および3次元の画像解析技術を用いて分散や配向を定量的に評価する技術を研究しており、現実の材料研究に活用した例とともに紹介する。