(2016年4月14日 10:30〜12:00)
自動車の交通事故を削減するために、事故を未然に防ぐ予防安全システムや自動運転システムの開発が盛んに行われていますが、その中でも自動車の周囲の障害物を検出する外界認識センサは最も重要な技術です。その中で本講演では、単眼カメラ、ステレオカメラで3次元計測や物体の検知・識別を行う技術など、カメラや画像認識技術を用いた外界認識手法を紹介し、さらには自動車の予防安全向け外界認識センシングへの適用事例を紹介します。
(2016年4月14日 12:45〜14:15)
市場では既に、走行路環境認識技術の一つとして車載カメラによる路上の白線を認識し、車線維持を支援するシステムが開発されている。しかし、車両前方の白線を検知する既存システムでは、降雪、濃霧、豪雨等の悪天候時および西日やトンネル出入り口付近等のように照度が急激に変化する環境下では白線識別性能が大幅に低下し、車線維持支援が困難となるという課題がある。 これまで白線識別性能を向上させる研究が行われているが、実用化には至っていない。また、エネルギーITSプロジェクトにおいては直下白線画像及びレーザレーダを用いた白線識別技術の開発が実施されたが、豪雨時や降雪時での検知に課題を残している。SAEインターナショナル (SAE:Society of Automotive Engineers) で定義されている自動運転レベル3以上では、ドライバに代わりシステムが走行路環境認識を行う必要があるため、通常の自動車専用道路に加えて様々な自然環境や道路環境においてもきわめて高い環境認識性能が必要とされる。 本講演では、全天候型走行路環境認識技術に関して、現在の白線識別から今後の環境認識技術の展望までを解説する。
(2016年4月14日 14:30〜16:00)
車車間通信と車間距離測定を同時に行えるシステムとして、ブーメラン方式と呼ばれるスペクトル拡散方式を用いた車車間通信・測距統合システムが提案されている。ブーメラン 方式はスペクトル拡散方式 (Spread Spectrum:SS方式) が通信にも測距にも利用できることに着目し、自車 (A車) において自車の有するPN符号を用いて、対象車 (B車) の情報を得るとともに車間距離ABを測定できる方式である。本講演ではブーメラン方式の概要と研究事例を紹介する。