有機溶媒中における微粒子・ナノ粒子の分散不良の原因とその解決法

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本セミナーでは、微粒子の分散安定化、ポリマーブレンドやポリマーコンポジットにおけるSP値の活用法について、界面活性剤や分散剤の選定、表面改質法なども交えながら、基礎から分かりやすく解説いたします。

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プログラム

有機溶媒中では、水系と異なり粒子の表面電荷による分散安定化はあまり期待できません。そこで湿潤剤や高分子分散剤の添加が必要になりますが,溶媒の種類により粒子表面のぬれ性や分散剤の吸着性・溶解性が異なるため、最適条件の探索は事例ごとの試行錯誤になりがちです。  本講では、粒子/溶媒/高分子間の相互作用を表す共通の指標として、溶解度パラメータ (SP値) を軸に、酸塩基特性や表面・界面張力 (表面自由エネルギー) などを踏まえて、分散不良の原因とその解決法について初歩から具体的に解説します。その上で、溶媒や粒子表面の特性に合わせた最適な湿潤剤 (界面活性剤) や分散剤の選定指針および粒子の表面改質法について説明します。

  1. はじめに
    1. 分散系の性質
      1. 微粒子・ナノ粒子の凝集の原因
      2. 溶媒中における粒子間力の特徴
    2. 有機溶媒中における微粒子の分散不良の原因
      1. 微粒子の分散安定化プロセス
      2. ぬれ,安定化,撹拌・混練の各工程における分散不良の原因
  2. 溶液・微粒子分散系における熱力学と溶解度パラメータ (SP値)
    1. 溶液・高分子系と微粒子分散系の熱力学
    2. 分子間力と相互作用パラメータ
    3. SP値の定義
      1. HildebrandのSP値
      2. HansenのSP値 (HSP値)
    4. 溶媒および高分子のSP値の求め方
      1. 高分子の溶解実験とHansen球・Teas線図 (三角線図)
      2. 分子グループ寄与法 (GCM) による計算
    5. 粒子表面のSP値の求め方
      1. 凝集沈降実験によるSP値・HSP値の測定
      2. 逆相ガスクロマトグラフィー (IGC) によるHSP値の測定
  3. ぬれ性不良による凝集の原因と解決法
    1. 粒子表面をぬらし広がる溶媒に必要な条件
      1. 表面張力と粒子の表面自由エネルギーの成分分け
      2. 湿潤包囲線による溶媒の選択
      3. 臨界表面張力による溶媒の選択
      4. 接触角の測定法
    2. 界面活性剤による粒子表面の親水化・疎水化
      1. 界面活性剤の種類と用途
      2. HLB値と界面活性剤の選択
      3. 界面活性剤の吸着性と表面改質効果
  4. 安定性不良による凝集の原因と解決法
    1. 表面に吸着し粒子を安定化させるのに必要な分散剤の条件
      1. 立体反発力とHVO理論
      2. 立体反発力から見た溶媒の選択と応用例
      3. 分散剤の吸着形態と分子量の選択
    2. 分散剤・樹脂の吸着性・付着性
      1. 高分子分散剤の吸着特性
      2. 酸塩基性の定義
      3. 分散剤・樹脂および粒子表面の酸塩基度の測定
      4. 分散剤を用いた高濃度スラリーの調製例
    3. 高分子分散剤の開発動向
      1. 高性能分散剤に必要な条件
      2. 新規分散剤の開発動向
      3. 分散剤を選択するために必要な手順
  5. 微粒子の分散性改善のための表面改質法
    1. 表面改質のための物理的・化学的方法
    2. 自組織化単分子膜によるナノ粒子の表面改質と応用例
    3. カップリング反応法と応用例
    4. グラフト重合法と応用例
  6. 樹脂中における微粒子の分散不良の原因とその解決例
    1. 粒子表面の酸塩基性に合わせた樹脂の選択
    2. 界面活性物質による凝集制御と高熱伝導材料の開発例
    3. 界面活性物質による表面改質と複合材料の開発
    4. カップリング反応による表面改質とTeas線図の利用
    5. ポリマーブレンドにおけるフィラーの局在性

会場

東京流通センター
143-0006 東京都 大田区 平和島6-1-1
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