1. 太陽光の利用効率向上のための光アップコンバージョン技術
(2016年3月9日 10:30〜12:00)
本講演は、近年国内外で急速に活発になってきている「有機分子間のエネルギー移動過程 (具体的には、三重項エネルギー移動および三重項 – 三重項消滅) を用いた光アップコンバージョン技術 (現在バンドギャップ以下で使用されていない長波長光を、利用可能な短波長光に変換する技術) 」に関するものである。講演では、この技術の研究に過去5年間以上取り組み多数の学術論文を出版してきている先端研究者自身によってわかりやすく技術内容の説明がなされる。Q&Aタイムでは可能な範囲で質問を受け付ける。
- 光波長変換技術
- 光アップコンバージョンとは
- 太陽光エネルギー利用効向上
- 未利用の長波長光の利用可能な短波長光への変換
- 有機分子による光波長変換
- 三重項 – 三重項消滅を利用した光アップコンバージョン技術
- 分子間エネルギー移動
- 実装形態の例
- 応用例と最新研究動向
2. アップコンバージョン蛍光体による赤外可視波長変換とエネルギー応用への可能性
(2016年3月9日 12:45〜14:15)
- 太陽エネルギーの変換に関する地球科学的な基礎項目
- エネルギー変換技術に貢献する無機材料合成プロセス
- 固相合成プロセス、液相合成プロセス、気相合成プロセス
- 液相合成プロセスの詳細
- 低エネルギー合成
- 高品質化と再現性
- サイズと形状制御
- 非シリコン型太陽電池に向けた無機材料合成とその評価
- 色素増感型および有機ペロブスカイト型太陽電池の原理とメリットおよび課題
- 電極に使われる二酸化チタンの種類と特徴
- 様々な二酸化チタンの合成手法と作り分け
- 二酸化チタン合成技術による色素増感型太陽電池の変換効率向上
- アップコンバージョン蛍光体を用いた短波長への変換とその利用
- 蛍光体の大別と基本原理
- 希土類アップコンバージョン蛍光体の発光原理
- アップコンバージョン蛍光体の応用例
- アップコンバージョン蛍光体の合成と探索手法
- 酸化セリウム系アップコンバージョン蛍光体
- 高輝度複合酸化物系アップコンバージョン蛍光体
- アップコンバージョン蛍光体の発光効率の定量
- アップコンバージョン蛍光体を用いた赤外 – 可視変換と発電
- アップコンバージョン蛍光体を利用した発電の効率向上に向けた課題と対応策
- 結論と展望
3. 表面機能化アップコンバージョンナノ粒子の 医用生体材料への応用
(2016年3月9日 14:30〜16:00)
アップコンバージョンナノ粒子を利用した、生体にダメージを与えずに効果的に診断・治療を行うことを目指した生体材料の開発について講演する。
- アップコンバージョンナノ粒子の基礎と合成法
- 希土類含有セラミックスナノ粒子のアップコンバージョン発光
- アップコンバージョン発光ナノ粒子の合成
- アップコンバージョン発光の評価法
- アップコンバージョン発光ナノ粒子の表面処理
- ナノ粒子の表面
- ナノ粒子の水溶液中における凝集
- 表面処理によるナノ粒子の分散化
- 生理条件下における問題とその解決法
- アップコンバージョン発光ナノ粒子のバイオ応用
- セセンシング材料への応用
- in vitroにおけるイメージング
- in vivoにおけるイメージング
- 他のイメージング法とのマルチモーダルin vivoイメージング
- ナノ温度イメージング
- 光線力学療法への応用
- ドラッグデリバリーシステムへの応用
- アップコンバージョン発光を用いたバイオ研究の今後の展開