遮熱ウインドウの材料技術と性能評価

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プログラム

1. 窓用遮熱・断熱日射調整フィルムの特性と性能評価

(2016年3月16日 10:00〜12:00)

 地球温暖化対策としてのCO2削減のため省エネルギー化の改善が進む中で、地球資源の使用減少化・電力削減対策は種々提案されて実施されてきている。また2013年に改正省エネ法が施行されたが完全移行後はよりハードルが高い省エネ対策が必要となった。ゼロエネルギー化を目指す中での窓フィルムは遮熱対応と冬季の暖房負荷軽減も踏まえた年間の対応が必要となり、現在その効果が問われ地域気候に合わせた選択と性能改善が必要である。今回窓の必須特性である熱貫流率、遮蔽係数の計算方法、実測による確認方法と、省エネルギー効果推定試算の概略と今後の窓形態の変化に求められる窓フィルムの有効性などについてまとめる。

  1. 省エネルギーへの窓の断熱化
    1. 窓の省エネルギー化
    2. 性能の測定方法とJISの計算
  2. 窓ガラスの変化
    1. 窓ガラスの種類と構造、性能
    2. 窓の一般的遮熱方法と効果
  3. 市場製品の性能比較
    1. 市場製品の開発状況
    2. 市場製品の分類と特徴
  4. 窓フィルムの必要性能
    1. カタログ値
    2. 遮蔽係数と可視光線透過率・日射透過率
    3. 遮熱と断熱性
    4. 耐久性評価方法と必要項目
  5. 遮熱/断熱窓フィルムの省エネ効果 (環境省ヒートアイランド対策実証試験データから)
    1. 省エネ効果における東京と大阪の地域差
    2. 省エネ効果に適する熱貫流率
  6. 実装時の特性推定方法
    1. フィルム貼付時の日射特性推定 (カタログ値からの変換) 方法
    2. 複層ガラスでの推定
    3. 複合ガラスでの推定
  7. 省エネ効果推定
    1. 簡易省エネ効果推定
    2. 詳細省エネ効果推定
  8. 効果測定方法と解析
    1. 測定方法 (簡易方法と詳細方法)
    2. 体感温度の測定と計算
    3. 遮蔽係数の実測方法と計算手法
    4. 熱貫流率の実測方法と計算手法
  9. 熱割れ対策と施工上の注意点
    1. 熱割れ推定計算
    2. ガラスの種類と熱割れ危険性
    3. 熱割れ現象の注意点
    4. 断熱タイプ窓フィルムと結露
  10. 今後の窓フィルム活用・まとめ

2. 有機/金属ハイブリッッドポリマーの作製とそのスマートウインドウへの応用

(2016年3月16日 12:45〜14:45)

 有機/金属ハイブリッドポリマーは、有機分子と金属イオンが錯形成により自己集合してできた新型高分子である。この高分子のフィルムを電気化学的に酸化 還元すると、可逆的に着色と消色が繰り返されること (エレクトロクロミズム) を見出した。用いる有機分子や金属イオンを変えることで、青、赤、黄など様々 な色を持つ高分子を合成することができる。本講演では、有機/金属ハイブリッドポリマーと、それを用いたカラースマートウインドウを紹介する。

  1. エレクトロクロミック型スマートウインドウの紹介
    1. これまでの開発例
    2. 課題
  2. 有機/金属ハイブリッドポリマーの合成
    1. 合成方法
    2. ポリマー構造
  3. 有機/金属ハイブリッドポリマーの物性
    1. 電気化学特性
    2. エレクトロクロミズムの発見
    3. エレクトロクロミズムの原理
    4. カラーバリエーション
    5. マルチカラーエレクトロクロミズム
  4. エレクトロクロミックデバイスとスマートウィンドウへの応用
    1. デバイス構造
    2. 作製方法
  5. デバイス特性
    1. コントラスト
    2. 駆動速度
    3. 耐久性
    4. メモリー性
  6. まとめと展望

3. 有機無機ハイブリッドエアロゲルの作製と透明断熱材料としての応用

(2016年3月16日 15:00〜17:00)

 透明で断熱性能に優れたシリカエアロゲルは、製造に超臨界乾燥過程を必須とすること、力学強度が極めて低く成型断熱部材として使いづらいことが、実用化を阻んできた。有機無機ハイブリッド組成から得られるエアロゲルは、可逆的な圧縮変形が可能でハンドリング性に優れ、大気圧乾燥プロセスでの製造が可能である。また、わずかな減圧で高真空断熱と同等の熱伝導率を実現できる。シリカエアロゲルに匹敵する光学特性、断熱特性をもつこの新しい材料の、合成、物性、断熱特性について、基礎から解説する。

  1. エアロゲルとは
    1. 湿潤ゲルの乾燥とキセロゲル・エアロゲルの生成
    2. 乾燥過程に影響を及ぼす因子
    3. 超臨界乾燥による低密度材料の作製
    4. エアロゲルの応用分野と技術的課題
  2. シリカエアロゲルの作製と物性
    1. ケイ素アルコキシドの加水分解重縮合
    2. シリカオリゴマーの重縮合とゲル化
    3. 湿潤ゲルの熟成と乾燥操作
    4. 透光性エアロゲル作製に必要な条件
  3. 有機無機ハイブリッドエアロゲル
    1. 3官能アルコキシシランのゾル – ゲル反応
    2. 透明で均一なゲルの作製方法
    3. 微細構造に及ぼす界面活性剤の影響
    4. 可逆的圧縮変形のメカニズム
    5. 常圧乾燥による低密度キセロゲルの作製
  4. エアロゲルの熱伝導率
    1. 多孔質材料の熱伝導率に影響を及ぼす因子
    2. 気体の平均自由行程と多孔質材料の細孔径
    3. 可視光透過率と輻射の影響
    4. ガス圧に対する熱伝導率の変化 (真空断熱との比較)
  5. エアロゲルの実用的な手法
    1. ソーラーヒートパネル
    2. 高断熱・透光性窓
    3. IH調理用耐熱断熱食器

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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