第1部. マイクロRNAを実用化するための専用の診断装置の開発と治療効果予測
(2016年2月29日 10:00〜12:00)
マイクロRNAは遺伝子機能をエピジェネティックに調節する短鎖RNAであり、ヒト体液中にで病態を反映して変動している。バイオマーカーとして期待される分子であるが、実用化のためにはpreanalytical、analyticalな標準化が必須である。核酸としての特性、バイオマーカーとしての有用性を概説し、標準化における課題をまとめる。
- マイクロRNAの分子としての特性
- 約20塩基のマイクロRNAの合成系、および細胞内、細胞外における分布
- 生体機能における役割
- 発生、細胞増殖・分化、アポトーシス、癌化の調節分子としての役割
- バイオマーカーとしての有用性
- 治療薬としての可能性
- 測定系の標準化における課題
- 安定性
- 抽出
- 網羅的解析
- 定量的解析
第2部. マイクロRNAを利用した新規薬剤開発
- 記憶物質としてのマイクロRNAパッケージの発見 –
(2016年2月29日 12:45〜14:45)
非常に重要度の高い、ノンコーディング遺伝子であるマイクロRNAの解析の現状と診断、創薬・治療に向けて、これまでのそして今後の展開について、情報 (ビッグデータ) を中心にお話してみたい。
- マイクロRNA遺伝子の発見と生合成の基礎
- 万能細胞の眠りを覚ますマイクロRNAたった2隻で夜も眠れず
- 塩基 (物質) か情報か
- RNA wave 2000
- 疾病とマイクロRNA遺伝子の関係
- 炎症と癌のボーダレス:共通のマイクロRNA
- ダーウィンの獲得形質の遺伝:環境がマイクロRNA遺伝子を変える
- 食育:食物栄養とマイクロRNA遺伝子がヒトを育てる
- 疾病予測・診断・治療そして情報工学へのマイクロRNA遺伝子の応用
- C型肝炎治療薬ミラビルセンと万能抗癌薬MRX34
- パイロシークエンサー:診断材料としてのマイクロRNA遺伝子
- マイクロRNA量子情報:ビッグデータベースとAIを用いた疾病予測・診断・治療
- 記憶物質としてのマイクロRNAパッケージの発見
- 自立性人工知能のデバイス:マイクロRNA量子情報
第3部. マイクロRNAを用いた再生医療への応用の展望
(2016年2月29日 15:00〜17:00)
細近年様々なマイクロRNAの組み合わせによって、細胞のリプログラミング、分化転換が起こるという報告がされている。本講演ではその最新の知見について議論したい。
- マイクロRNAとは
- マイクロRNAによる細胞のリプログラミング
- リプリグラミングに関わるマイクロRNA
- マイクロRNAによるリプログラミングのメカニズム (1)
- マイクロRNAによるリプログラミングのメカニズム (2)
- マイクロRNAによるリプログラミングのメカニズム (3)
- マイクロRNAによる細胞の分化転換
- 神経系細胞への分化転換
- 皮膚細胞への分化転換
- 免疫系細胞への分化転換
- 心血管系細胞への分化転換
- 骨芽細胞への分化転換
- 肝細胞への分化転換
- 癌細胞の分化転換