香りの官能評価手法と製品開発への応用

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プログラム

1. 脳科学で明らかになってきた香りの基本情報表現の基礎

(2016年2月19日 10:30〜12:30)

 あらゆる色は、R/G、Y/Bの2直交軸をつくる4要素色の強度の組み合わせで表現することが可能で、これらの要素色は3原色RGBに対応する3種の受容体で検出された信号が処理され抽出されていると考えられる。香り・匂いの要素情報は明らかになっていないが、フレーバーリストが使う数十の匂い質に近いものであると推定される。ヒトでは約350種、マウスでは、約1000種の嗅覚受容体が匂い分子の構造に基づき、香り要素情報の検出を行い、嗅覚中枢で複数種の受容体の信号を加算することで、その受容体間に共通する要素情報が抽出されていると考えられる。要素情報抽出の原理は、例えば、R、G受容体2種の信号の加算によりY色要素が抽出されるのと同様であると考えられる。  これを支持する実験結果が蓄積されてきており、本講演では私たちが得た結果を中心に紹介する。

  1. ヒトとマウスの香り・匂い識別・検知能の共通性と基本原理
  2. 嗅覚神経経路の特徴と要素情報階層化抽出機構
  3. モルモット嗅覚2次中枢での匂い情報表現の特徴
  4. 匂い要素情報表現に支配的な受容体群は高感度なものの一部が引き起こす識別パラドックス
    1. 種の匂いの混合によるストレス緩和効果とその神経経路

香りの設計・官能評価と香りのイメージ伝達法

(2016年2月19日 13:15〜16:15)

 近年の商品開発において、感性 (視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚) にこだわったモノ造りがなぜ重要視されるようになりました。しかし、特に商品に付随する匂いや香りが成功要因 (KFS=KeyFactorsforSuccess) として注目されるようになっているにもかかわらず、必ずしも満足な結果につながっていないのはなぜでしょうか。本講演では感性情報の中でも物性値に置き換えることが難しい香りについて、その設計・官能評価と伝達 (コミュニケーション) という視点から議論をしていきます。

  1. 香りの設計は誰がコントロールするべきか
    1. 香りの専門知識がない製品開発担当者に香りの設計ができるか
    2. その「官能評価」は組織のどこに位置づけされているか ~組織は戦略に従う~
    3. その商品コンセプトの中で香りの訴求度、 重要度の認識は共有されているか
    4. 通常、「官能評価」は開発フローのどこに位置づけされているべきか
  2. 香りの官能評価は誰がするべきか
    1. そもそもなぜ官能評価が必要なのか、 その目的はクリアになっているか
    2. 一般パネルとエキスパートパネル、その選定と育成の違いは
  3. 香りの評価パネルに求められるのは感度?精度?表現力?
    1. ヒトの官能評価が機器の計測よりも頼りになる場合とならない場合
    2. 香りトレーニングのカリキュラムにみられるエキスパートのスキル
    3. 意外と混同される香りの相対的評価と絶対的評価 ~それぞれ手法と結果処理~
  4. 香りの官能評価結果を誰にどう伝達するか
    1. 評価パネル、評価部門はどういったレベルの裁量を持っているか
    2. 香りを言語に変換して伝えようとするときの難しさは
    3. 香りの専門知識の有無で、 同じ部内でも香りのコミュニケーション法が大きく異なる
  5. 香りの官能評価の実際
    1. 香りの官能評価室の条件
    2. 香りに関する消費者調査の実際~意識調査、実態調査、使用調査

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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