2015年秋に発覚したVW社の不正に際し、これまでディーゼルによる環境車を押し出していた欧州完成車メーカー勢は、今後は電動化システムの導入に大きく舵を切ることになる。しかしながら、ストロング・ハイブリッドシステムの様な大鉈を振るう技術導入はいきなりは難しく、まずは小型車に対するマイルド・ハイブリッドシステムの代表である48V系電源システムの導入が予測されている。
この市場動向に対して、我が国の部品メーカー、完成車メーカーはどの様に戦略を立てる必要があるかについて、技術的な側面から議論を展開する。具体的には回路システム、そしてそこに使用される部品、SiCやGaNパワー半導体の導入可能性に光を当てていく。
- 48V系電源システムのしくみ
- ストロング・ハイブリッドカーとマイルド・ハイブリッドカーの違い
- 各社のハイブリッドカーの現状
- それぞれのシステムにマッチした車格の具体例
- 欧州と我が国の環境車戦略の違い
- 48V系電源システムにおける補機類
- どうして48V系システムなのか?
- 大容量オルタネータ.
- エアコン用コンプレッサ
- 電動パワーステアリング
- 48V系システムに必要な新技術
- パワー半導体に必要な定格電圧
- パワー半導体に要求されるスイッチングスピード
- インダクタコアの材料とスイッチング周波数
- 積層セラミックキャパシタの応用実例
- 次世代パワー半導体の可能性
- SiCパワー半導体は搭載されるか?
- GaNパワー半導体は搭載されるか?
- 高周波時代の車載用電源に要求される新技術
- ノイズ・熱対策最前線