今、新興国の企業は日本企業の経営や技術を徹底して研究し、それまでリードしてきた日本企業を追い上げ、既に多くの分野で日本企業を凌駕する状況が生まれています。日本企業が、欧米企業はもとより、このようなますます厳しくなる新興国の企業との競争に勝つためには、研究開発においても同じ土俵で研究開発を競うのではなく、これら競合企業に先んじて 革新的なテーマを継続的に創出し取り組むことが極めて重要になってきています。そのための有効な方法が、長期の視点を持ち、市場の行く末を今から想定し、周到な準備を行い、またその上で、同時に市場の動きをモニターしながら、タイムリーに計画を調整・変更することが必要となります。
ロードマップ作成はまさにこのような活動を、体系的、組織的に行うための方法論です。
本セミナーでは、どうロードマップ作成を体系的、組織的に行うかについて、実際の作成ワークシートなどを提示しながら、具体的な議論をしていきます。また、製品ロードマップ作成で使用する顧客価値拡大モデルであるVACESを利用して、製品アイデアの創出の演習を行います。
- なぜ今ロードマップなのか?
- 21世紀の日本の産業界の現実
- 日本企業が行く道
- 長期の視点を持つ:先進企業はどうしているか? (東レ、トヨタ)
- ロードマップの意義:厳しいグローバル競争の勝ち抜く重要なツール
- ロードマップ作成における日本企業の現実
- 経営者の役割と現実
- 長期でテーマを考える余裕などはない」 (大手機械メーカー、研究開発企画部長)
- 将来を見据えての施策が最終的に目前の収益として結実する
- ロードマップとは?
- 「違いを作って、つなげる」ことで長期的利益を実現する
- ロードマップの目的と要件
- 良いロードマップを作るために
- 長期的視野での目標の設定
- ロードマップのイメージ
- MPT (市場・製品・技術) モデル
- 「T (技術) →P (製品) →M (市場) 」をどう考えるか?
- ロードマップで設定すべき項目
- 時間軸の考え方
- 市場起点
- 関係者の意思・意図
- 多様性の実現と集団の英知の利用
- Boys! Be ambitious!
- 事業ビジョン (googleの例等)
- 過去のアンラーニング
- 既存の固定的思考が制約となる
- 固定的思考の払拭:アンラーニング
- 目標実現のための時間の確保と確実な実行
- 目標達成に向けての英知と経営資源の結集
- ロードマップの作成プロセスの全体像
- 市場を起点とし、技術を起点としない
- 公開技術ロードマップは参考に
- 「自社の強みを活用してこんなテーマを展開しよう!」はあって良いが…
- ロードマップ作成における仮説と検証の重要性
- 事業ビジョンの議論
- 過去のアンラーニング
- ロードマップ作成の全体プロセス
- ステップ1:事業ミッションの議論
- 事業ビジョンと事業ミッションの関係
- 事業ミッションがないと…
- 東レ、JINの例
- 事業ミッションの要件
- ステップ2:過去のアンラーニング
- Out-of-the-box思考の必要性
- 過去のアンラーニングの手法:「ばかり」分析
- ステップ3:市場ロードマップの作成
- 市場ロードマップの良くみられる4つの問題点
- 市場を見る視点の重要性と3つの軸『TAD』
- 時間軸 (Time) 、分野軸 (Area) 、深度軸 (Depth) それぞれを見る手法
- 日頃からの市場を理解する活動の重要性
- 市場ロードマップの記述事項
- 市場ロードマップ作成ワークシート
- 市場ドライバーとは
- 市場でのイベント・市場トレンドと市場ニーズの関係
- 市場ニーズの大きさを表す定量指標
- ステップ4:製品ロードマップの作成
- 広い製品アイデア創出の視点の必要性
- 顧客価値拡大モデル (VACESモデル – B2B製品の例)
- Value:顧客自身の製品・サービスの提供価値向上
- Anxiety:顧客の懸念・面倒の払拭
- Cost:顧客の『全体』コスト低減
- Employee:顧客社員の作業環境や能力の向上
- Society:顧客の社会的価値向上
- 顧客価値拡大モデル (VACESモデル – B2C製品の例)
- 市場ニーズの製品アイデアへの展開
- 対象市場セグメントとは
- 顧客提供価値とは
- 製品名とは
- 製品の中核機能とその水準とは?
- 対象製品アイデアの選択の方法
- ステップ5:技術ロードマップの作成
- 製品アイデアの技術への展開
- 製品アイデアの技術への展開の視点:Value Graph
- 「中核技術」の「中核技術実現オプション」への展開
- 対象「中核技術実現オプション」の選択法
- 「中核技術実現オプション」の時間軸上への展開の注意点
- 時間軸の再調整
- 成功するロードマップ作成プロジェクトの進め方
- 演習
- 製品ロードマップ作成で使用する顧客価値拡大モデル (VACES) に基づく、製品アイデアの創出 (トイレを例に)
- 最後に