本セミナーでは、燃料電池車、電気自動車、天然ガス自動車の市場動向や関連政策動向を中心に、次世代自動車を取り巻く環境と日本企業にとっての事業機会を解説いたします。
地球温暖化対策、大気汚染をはじめとした環境問題解決への対応から、地球環境に優しい次世代自動車として、燃料電池車、電気自動車、天然ガス自動車、低燃費ガソリン車、クリーン・ディーゼル車の開発・普及が、世界の自動車企業によって進められている。 燃料電池車は、水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池による自動車として、水以外の汚染物質を一切出さず、究極のエコ・カーとされる。2002年における世界最初の実用車の段階では1台1億円以上の生産コストがかかり、普及のネックとなっていた。しかし、2014年12月15日にトヨタ自動車が、世界最初の量産型燃料電池車MIRAI (ミライ) を723万6,000円、政府の補助金を考慮すると521万円で販売を開始し、受注台数は2015年12月時点において3,000台を超えている。2025年には世界で180万台、日本で20万台の燃料電池車が販売され、世界の水素ステーションは3,100ヵ所に達すると見込まれる。水素ステーションは、1基5億円、2015年度までに日本国内に100基の建設が計画されている。 電気自動車も、リチウム・イオン電池の技術進歩により、1度の充電により走行距離が300キロ近くに達しているものの、ガソリン自動車と比較して、「短い航続距離」、「少ない充電ステーション」、「高価な蓄電池」が課題となっている。しかし、国内の電気自動車用充電器を6,500基から10万基に増やす目標が掲げられ、補助金制度の整備も進んでいる。世界の電気自動車向け充電器市場は2020年には2,600億円を超えると予測されている。 また、シェール・ガス革命によって天然ガス価格が下落し、米国においては、圧縮天然ガス自動車 (CNG) 、LNG (液化天然ガス) 自動車の開発・普及が進んでいる。天然ガス自動車は、従来のガソリン・エンジン、ディーゼル・エンジンの簡単な改良によって生産することが可能であり、軽油と比較して、運行コストが30%~50%程度削減でき、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を大幅に削減できる。天然ガス自動車は、世界で1,500万台に達しているが、2035年には7,500万台に増加すると予測されている。それに伴って、天然ガス、LNGの供給ステーションも大幅に増加することが見込まれる。さらに、既存のガソリン車の燃費向上も急速に進んでおり、今後2020年〜2030年に向けて、エネルギー供給ステーションの建設をはじめとした大きなビジネス・チャンスが期待できる。次世代自動車を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンスについて第一人者が明確に詳説する。