分散剤の最適な選定・活用とその指針

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粉末は一般的に凝集した形態で供給される。この粉末を凝集状態で使うと粉体の本来の物性例えば光沢、強度、平滑性、流動性等が満たされず良好な製品が出来ない。そのため、種々の産業分野 (塗料、セラミックス、製紙等) では粉体の持つ物性を十分に引き出すために各種の分散剤が使われている。種類も水系分散剤、溶剤系分散剤があり、両者合わせて200種類以上あると言われている。この状況で分散剤ならどの様な粉体でも分散できるかと言うと答えはNO!である。被分散体である粉体、顔料等の種類、粒子径、粒子形、組成、極性等々により物性が大幅に異なる。  分散剤も粉体の物性、性状に合わせ相性の良い分散剤を選定しなければならない。最適な分散剤を選ぶには粉体の性状は言うに及ばず分散剤の性状 (極性、分子量、組成、表面張力、ぬれ性、吸着性等) を十分に理解する必要がある。分散剤の選定のポイントに水系では“分散の三要素”、溶剤系では“SP値”、“酸・塩基相互作用”なる考え方がある。これらの分散に関する要素を理解するには界面活性剤の知識が必須である。  このセミナーでは被分散体について理解を深め、また分散・分散剤とは何かを理解し、短時間で最適な分散剤を選定するための基礎知識となる界面活性剤について簡単な実験や映像を通して理解を深めていただき、応用の効く分散知識 (界面活性剤 (分散剤) の知識を習得を目標とします。

  1. 分散とは … 分散と分散剤の関係
  2. 粉体について
    粉体の粒子径 (Particle Size) と粒子形 (Particle Shape) と分散との関係
    1. 粒子径と粉体凝集性 … 何故粉体は凝集するのか。
    2. 粒子形と粉末凝集性 … 平面体は凝集しやすい。
    3. 微粒子の持つ表面エネルギーと凝集性
  3. 分散の三要素とは
    1. ぬれ性 … 凝集粒子の膨潤
    2. 解きほぐし性 … 凝集粒子の解砕
    3. 分散の安定性 … 解砕した粉体の凝集防止
  4. 分散及び分散剤を理解するための界面活性剤のキーワードについてその意味と使い方
    1. 界面活性剤とは
      • 界面活性剤の基礎 … 界面活性剤を理解するための基礎項目の理解
    2. 分散を理解するための界面活性剤の基礎知識
      • 表面張力 … お互いに接する面積を最小にする力
      • ぬれ性 … 凝集状態している粉体をぬらし膨潤する力
      • ミセル … ミセルの中に粉末を取り込み分散を完成
      • HLB … 親水性と親油性のバランス。分散への関連付け。
  5. DLVO理論とは … ゼータ電位と分散・凝集について
  6. 水系分散剤について
    1. 水系分散剤選定のポイント
      • 粒子径、粒子形と分散剤の組成の関係
      • 粒子径、粒子形と分散剤の分子量の関係 (低分子量分散剤か高分子量分散剤か)
      • 酸化物系粉体と非酸化物系粉体と分散剤の極性の関係
      • 粉体の極性と最適分散剤の関係
      • 低分子分散剤と高分子分散剤の分散理論の違い
      • 低分子分散剤 … 静電的相互作用 (浸透圧効果) の単独作用
      • 高分子分散剤 … 容積制限効果、浸透圧効果の2作用
      • 高分子分散剤の一般的特徴
    2. 分散剤の選び方
      1. 低分子湿潤・分散剤を使うか高分子分散剤を使うかのポイント
      2. 代表的な水系高分子界面活性剤型分散剤
    3. 分散剤の選定方法と評価方法例
      1. 粘度・添加量曲線 … 分散剤の選定簡易方法 (簡易方法)
      2. 試験缶沈降試験 … スラリーの安定性簡易試験 (簡易方法)
      3. その他;各種測定装置
  7. 溶剤系分散について
    1. 溶剤系塗料で顔料を取り巻く環境
    2. 溶剤系分散でのポイント
      • 溶剤と顔料、樹脂、分散剤の親和性と分散の関係
      • 分散成分 (粉体、溶媒、高分子等) の相溶性、極性、相性
      • SP値について
      • 酸・塩基相互作用など (8) 水系、溶剤系分散剤のメーカー、代表品名一覧
  8. 参考文献一覧

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600-8813 京都府 京都市 下京区中堂寺南町134
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