マイクロ化学プロセス技術あるいはマイクロリアクタと呼ばれる技術が化学業界で注目を集めている。このことは、化学反応の制御において、混合や冷却といった操作がこれまで考えられてきた以上に重要であることを示している。マイクロ化学プロセス技術は、マイクロ流路、すなわち100ミクロン程度の微細な流路を流通式反応装置として利用するもので、混合や加熱・冷却といった操作を効率的に行うことができる。すでに多くの反応で収率向上などの効果が確認され、多くの企業が応用研究に取り組んでいる。 本講座ではマイクロ流路の特性を理解するために必要な化学工学の基礎知識を簡単に復習したうえで、マイクロ流路の特性についての講義を行う。さらにマイクロ化学プロセス技術による生産プラントの考え方を述べる。