(2016年1月27日 10:30〜12:10)
海水のミネラルとしてナトリウムの次に多量に存在し、”にがり“の主成分としても知られているマグネシウム。このマグネシウムで二次電池 (蓄電池) ができたら、今のリチウムイオン電池に代わる安い電池が多量に作ることができます。しかし、実際にはそんな電池は世の中に出回っていません。そこで本講座ではマグネシウムを用いた電池にスポットを当て、その利点と欠点について産総研での研究成果や将来展望も交えて説明します。
(2016年1月27日 13:00〜14:10)
近年、ポストリチウムイオン二次電池としてナトリウムイオン二次電池やマグネシウムイオン二次電池の開発研究が進められている。将来の二次電池には大型電源としての使用が期待され、それには、現在の全固体リチウムイオン二次電池の開発と同様に、ポストリチウムイオン二次電池についても全固体化が重要な課題となってくるであろう。これまでのマグネシウムイオン伝導性固体電解質の報告は非常に少ない。 我々は近年新しい化合物系において、マグネシウムイオン伝導性が発現することを見出し、その伝導度は決して高いとは言えないが、その伝導度の向上および全固体マグネシウムイオン二次電池の開発を目指し、さらなる化合物の合成に取り組んでいる。 本講演では、我々が研究対象としているマグネシウムイオン伝導性固体電解質の合成・評価とその電気化学特性について紹介・解説する。
(2016年1月27日 14:20〜16:00)
水素化物を利用した全固体電池の特性を紹介します。そもそも水素化マグネシウムは水素貯蔵材料として注目され、特に2000年頃以降から活発な研究開発がすすめられてきました。この水素化マグネシウムが2008年にリチウムイオン電池の負極材料として発表されましたが、充放電時の効率が悪く負極物質中に導入されたLiイオンを再度取り出すのに困難であると考えられてきました。こうした問題を、同様の水素化物である水素化ホウ素リチウムを固体電解質として用いることで、高い充放電効率を得ることに成功しました。こうした、新しいタイプの全固体リチウムイオン電池システムの紹介を行いたいと思います。