医療福祉の発展に伴い全世界的に高齢化が進展する中で、医療機器市場は大幅に拡大すると期待されている。政府も医療機器産業に大きな期待を寄せ、日本経済の成長の担い手と位置付け「日本再生戦略」や、「医療イノベーション5ヵ年戦略」などを次々に打ち出してきている。2013年4月には、アベノミクスの中でも、成長戦略第1弾の発表の中で、医療サービスや医療機器の輸出など「医療の産業化」に関わる項目を多く取り上げ、医療関連産業を日本の成長戦略の中核産業と位置付けている。 今後を期待されている医療関連産業の中で 内視鏡は、消化器のがんの診断から治療まで実施できる機器として、今や、欠くことのできないものとなっている。開発当初、胃の中を視る装置として開発をされてきた「胃カメラ」が、今日では、消化器の外科手術のイノベーションに大きく寄与する医療デバイスとなっている。日本発の医療機器であり、世界の中で重要な役割を担っている内視鏡が、昨今の消化器外科手術に貢献してきたイノベーションは、以下の2つである。
この2つのイノベーションについて、これまでに発展をしてきた内視鏡について紹介をするともに、内視鏡の課題や最新動向と医療機器に求められる部品・材料技術の解説をする。