1. タッチパネル用プラスチックカバー材の現状と将来展望
(2016年2月9日 10:30〜12:15)
タッチパネルの市場は 軽量・可とう性・曲面化に向かっている。センサー材料はフィルムベースのメタルメッシュセンサーの登場で課題は解決されたが、カバー材料に関してはガラスからの転換が遅れている。重い、割れるガラスカバーを止めて、プラスチックカバーを採用することでタッチパネルモジュールのオールプラスチック化が完成する。
本講座ではプラスチックカバー材料を中心にオールプラスチックタッチパネルの発展に関して報告する。
- タッチパネルの種類
- タッチパネルの市場動向
- タッチパネルの次の市場は何か?
- 車載タッチパネルへの要求特性
- 静電容量式タッチパネルの構造
- オールプラスチックタッチパネルの必要性
- 軽量・可とう性・曲面化に対応するセンサー材料
- ITOセンサーの課題
- メタル系センサーの種類と特徴
- ガラス・プラスチックカバー材料の比較
- プラスチックカバー材の種類
- プラスチックカバー材の特徴と課題
- プラスチックカバー材での曲面、3D化
- プラスチックカバー材の成型方法
- カバー材の表面に要求される特性
- カバーでの触感付与
- 曲面貼合・成型方法
2. フレキシブルディスプレイに向けたガラス代替フィルム・シートの開発と求められる特性
(2016年2月9日 13:00〜14:45)
ディスプレイやタッチパネル用の透明レンズ基材としてガラスは、コストアップと同時に、重い、分厚いと言った課題が明確になってきている。その為、樹脂で代替することが望ましいが、強度・表面硬度など課題も多くあるとされてきた。最近、新たに表面コート材の開発の進展に伴い、強化ガラスを樹脂基板に置き換え、カバーレンズに用いたスマートフォンも開発され、既にパネルメーカーより販売が開始されている。本報ではフレキシブルの対応含むガラス代替の透明樹脂フィルム・シートに関して概説する。
- はじめに
- カバーガラスの樹脂化
- フレキシブルデバイスへの樹脂フィルムの適用
- ガラス代替樹脂シートの取組み
- フレキシブルデバイスにおける透明樹脂シートの取組み
- 透明樹脂
- カバーガラスの樹脂化
- ガスバリアフィルムの開発
- まとめ
3. 樹脂製カバーパネル向けのタッチパネル用粘着剤の要求特性とアクリル系タッキファイヤによる改質
(2016年2月9日 15:00〜16:45)
スマートフォンに代表されるようにタッチパネルを搭載した電子機器が急激に普及している。これらの機器の組み立てにはOptically Clear Adhesive (OCA) と呼ばれる透明な粘着剤が使用されている。本セミナーでは、タッチパネル用粘着剤の一般的な要求特性、樹脂製カバーパネルを使用した場合の発泡の原因、アクリル系タッキファイヤによる発泡の抑制方法について、そのメカニズムも含めた形で紹介する。
- タッチパネル用粘着剤
- タッチパネルの構成
- 一般的な要求性能
- 湿熱負荷時の発泡現象
- 発泡メカニズムの推定
- 被着体からのガス放出量と発泡の関係
- アクリル系タッキファイヤによる発泡の抑制
- 高温連続ラジカル重合のプロセス
- タッキファイヤの設計思考
- アクリル系粘着剤へのタッキファイヤの添加効果
- 高温の粘着力と耐発泡性の関係
- XPS測定による粘着剤表面の分析
- 粘着剤全体の粘弾性挙動
- アクリル系タッキファイヤによる粘着力向上メカニズム
- タッキファイヤの表面偏析を利用した改質
- 耐発泡性と段差追従性の両立
- 様々な被着体への剥離強度向上