第1部 リチウムイオン二次電池の 高電位正極活物質の実用化, 高充電圧化技術
(2016年1月14日 10:30〜11:45)
リチウムイオン二次電池のエネルギー密度向上のために充電電圧を高めることが進められている。一方、5V級スピネルやLi 過剰固溶体など高エネルギー密度が期待される高電位正極の実用化検討も進められている。これら正極の高電位化に伴い、電解液は酸化され易く、正極自体の不安定性が増加するなどの克服すべき技術課題が多い。本講では、これら技術課題への対応手法として、正極活物質の表面改質の有効性を主体に述べる。
- リチウム二次電池とその正極活物質
- 各種正極活物質の特徴
- 高電位化の利点と課題
- 正極活物質の高充電圧化技術
- LiCoO2
- LiNiO2系
- NiCoMn三元系
- 高電位正極活物質の実用化技術
- 5V級スピネル系
- Li過剰固溶体系
- まとめ
第2部 次世代リチウム二次電池の 負極材料の研究開発動向と 高エネルギー密度化の可能性
(2016年1月14日 12:30〜13:45)
リチウム二次電池は今後,自動車,電力貯蔵・負荷平準化用途などの大型蓄電池としての本格的な使用が期待されており,更なる電池の低コスト化・長寿命化が求められている。 本講では,高容量負極材料の研究開発動向について概説すると共に、その材料面での特徴と性能、高電位酸化物系負極材料とその性能向上技術について解説し、電池のエネルギー密度向上の可能性についても言及する。
- リチウム二次電池の大型化,高電圧化,高性能化の期待
- リチウム二次電池用負極材料の現状
- 炭素系負極材料
- 合金系負極材料
- 酸化物系負極材料
- 高容量材料の構造設計
- シリコン系材料
- 酸化物系材料
- チタン酸化物系
- コンバージョン反応系
- 今後の技術開発の展望
- 高容量化
- 長寿命化
- 高電圧化と負極材料設計の今後
第3部 新しいセパレータの特性と 事業展開,高電圧化対応への可能性
(2016年1月14日 14:00〜15:15)
大型リチウムイオン電池は電気自動車やハイブリッド車への搭載やスマートグリッド,電力貯蔵等への用途展開が進んでいる。その中でセパレータは,耐熱性,強度,耐薬品性などの向上が求められる。 本稿は、次世代樹脂系セパレータとしてシリカガラスコート繊維 の特性と適用可能性について紹介すると共に,高電圧化における セパレータへの要求と対応についても言及する。
- セパレータ概略
- 二次電池用セパレータの種類
- 湿式と乾式の製造方法とその特徴
- 高耐熱・高機能化アプローチの概要
- 市場規模とその動向
- 用途ならびに要求物性とセパレータの対応
- 耐熱性,高強度,耐薬品性,高電圧化など要請項目の整理と対応
- 特許から見たセパレータの流れ
- 当社セパレータの概要
- 標準スペック
- コーティングセパレータ
- リチウムイオン電池の高電圧化とセパレータ
- 今後の展開
第4部 リチウムイオン電池用電解液の 電気化学的性質と難燃・耐酸化性向上,高電圧化対応への可能性
(2016年1月14日 15:30〜16:45)
リチウムイオン電池用電解質を構成する分子,例えば 電解質,溶媒,支持塩の分子設計と合成の指針を紹介する。 加えて高エネルギー密度化,高電圧化対応の可能性として 電解液の難燃性向上や酸化防止についても解説する。
- リチウムイオン電池用電解質の課題
- 現行のリチウムイオン電池用電解質
- 電解質の種類と特徴
- 液体電解質
- 支持塩
- 今後開発が進むリチウムイオン電池用電解質
- 耐酸化性溶媒
- 難燃性溶媒
- イオン性液体
- 液体電解質分子設計の新技術
- 超分子的アプローチ
- 難燃性元素の導入
- 構造と電気化学的性質の相関
- その他の取組み事例,トピックス