第1部. 浮遊撹拌培養における細胞へのダメージ低減と培養槽設計
(iPS細胞の大量培養の事例を中心に)
(2016年1月20日 10:00〜12:00)
近年ではヒト幹細胞の培養技術開発が進み、再生医療への応用が現実となってきた。本講座では、ヒト人工多能性幹 (iPS) 細胞培養を中心に浮遊撹拌における細胞へのダメージ低減のための培養槽設計の事例を紹介する。
- 動物細胞の培養方法
- 浮遊撹拌培養における培養槽設計の一般的要件
- 動物細胞の浮遊撹拌培養におけるダメージ低減のための一般的な対策
- 動物細胞の浮遊撹拌培養のための様々な培養槽の事例
- 再生医療における幹細胞の利用
- 人工多能性幹 (iPS) 細胞の培養法
- iPS細胞の浮遊撹拌培養における培養槽設計
- iPS細胞の浮遊撹拌培養におけるダメージ低減のための対策
- iPS細胞の培養事例
- iPS細胞の応用事例
- iPS細胞の再生医療への応用に求められる技術的要件
- 今後の展望
第2部. 再生医療のためのデバイス化技術
(2016年1月20日 12:40〜14:10)
本格的な高齢化社会を迎えた現在、細胞を用いた臓器再生技術が注目されている。再生医療の技術を使えば、全ての臓器が再生できるのではないかと考えられているからである。本講演では、臓器形成や恒常性維持に機械的な刺激負荷が重要であると考えられている軟骨や骨の再生研究を中心に紹介する。特に、物理刺激による軟骨や骨再生のためのデバイス設計、そして、その効果を、培養細胞を用いて検証した研究を紹介する。これらの効果に関する分子生物学的なメカニズムの考察も加え、物理刺激の本質的な理解を促すものとする。本講演では、再生医療のための、機械的刺激負荷の最新の知見も交え、研究紹介を行う予定である。
- 再生医療とは
- 再生医療の3要素
- 細胞ソース
- 細胞培養用担体
- 化学刺激
- 機械的刺激の種類
- 機械的刺激負荷のためのデバイス設計
- 機械的刺激負荷による組織形成評価
- シグナルパスウエー
- まとめ
- 質疑応答
第3部. 細胞培養におけるバイオリアクターの設計
(2016年1月20日 14:20〜15:50)
EPOや抗体などの医薬品の生産に動物細胞培養が使われますが、動物細胞は脆弱なため、この特徴を考慮したバイオリアクター設計が重要です。また、再生医療への動物細胞の利用が期待され、これには特殊なバイオリアクターの設計が必要となります。本講座では、効果的に物質生産や組織再生できるバイオリアクターの設計をお話しします。
- 動物細胞の特徴
- 様々な培養操作法
- 医薬品生産のための細胞培養担体
- 医薬品生産のための動物細胞用バイオリアクター
- 再生医療における細胞培養
- 組織再生における問題点
- 組織再生の種類
- 移植用細胞の様々な培養操作
- 軟骨組織再生のためのバイオリアクター設計
- 組織再生に重要な培養操作テクニック
- 組織再生に有効なバイオリアクターの設計
第4部. 動物細胞培養槽のシミュレーション技術と生産性向上
(2016年1月20日 16:00〜17:30)
バイオ医薬品製造プラントにおける培養プロセス設計では,高い生産性・品質となるように細胞の培養環境を適正化することが重要である。本発表では,培養環境因子の一つであるせん断応力に着目し,細胞へのダメージの他、細胞代謝への影響をシミュレーション技術で評価することで,生産性を高める培養プロセス設計について紹介する。
- 動物細胞培養に関与する環境因子と品質特性
- 培養槽内のせん断応力分布による細胞培養への影響
- マイクロリアクタを用いた均一せん断応力による細胞への影響評価
- せん断応力が与える細胞ダメージ
- せん断応力が与える細胞代謝への影響
- 培養槽内のせん断応力分布シミュレーション
- 細胞内代謝解析
- 回分培養でのせん断応力影響評価
- 流加培養でのせん断応力影響評価
- せん断応力の適正化による生産性向上
- せん断応力を考慮した培養槽スケールアップ