(2016年1月29日 13:00〜14:30)
がん治療において殺細胞性抗がん剤の骨髄抑制は重要な副作用のひとつである。特に貧血は倦怠感の原因となり、患者のQOL (生活の質) を低下させる。実臨床でがん治療における貧血の問題点と治療の実際として、輸血療法、海外では承認されているエリスロポエチン、そして、期待されるiPS細胞を用いた赤血球人工製造について解説する。
(2016年1月29日 14:45〜16:15)
腎性貧血の治療の基本はエリスロポエチン (EPO) 製剤と鉄剤である。EPO製剤が臨床に使用されて30年近い年月が経過、長期作用型も新たに開発された。また、透析患者のみならず、保存期腎不全、自家輸血、未熟児貧血、骨髄異形成症候群などに適応範囲が広がった。 EPOによる鉄利用亢進で不足する鉄補充のため、鉄剤が使用は必須であるが、その至適量についてはまだ議論が多い。また、生命予後を左右するリンは貧血と関連することも指摘され、それをコントロールするためのリン吸着薬に鉄含有のものが出現したことから、リンと鉄の関係にも注目したい。