本セミナーでは、女性向け製品開発のための高級感かわいらしさの演出と付与技術について詳解いたします。
(2016年1月15日 11:00〜12:30)
コンピュータやインターネットなどの情報通信基盤が整備した21世紀の高度情報化社会において、日本生まれのゲーム・マンガやアニメーションなどのいわゆるデジタルコンテンツが世界中に広がっている。一方、従来のものつくりの価値観である性能・信頼性・価格に加え、感性を第4の価値として認識しようという国の取組みも開始された。我々は、日本の人工物 (工業製品やサービス) が世界的競争力を持つための感性価値として「かわいい」に着目し、かわいい人工物の物理的属性を系統的に解析する研究を行ってきた。今回は、「質感」から話を始め、感覚モダリティとしての「触覚」についても説明した上で、モノを触った時に感じる質感である「触感」に対して、「かわいい触感」の評価についての研究事例を紹介する。
(2016年1月15日 13:15〜14:45)
人とモノとの関係において、人を中心に観察する人間工学や心理学により検討され、モノを考え、創造することがデザインの目的とされてきた。しかし、使いやすさや使う人の気持ちという感性面が製品の印象に大きな影響があり、意匠面だけでなく使用感も製品デザインの対象であることが明らかになった。人間工学や心理学と、デザインが共有できるプロセスを意識し、何が魅力となるのか、仮説を如何に立てるかを共通の目標として活動できることが重要である。本講演では、モノを構成する要素に着目しデザインするため、ユーザのエクスペリエンスを観察し、実験的に検討することでエビデンスベースドデザインとしてデザイン分野への適用を検討した研究事例を紹介する。
(2016年1月15日 15:00〜16:30)
「かわいい」は対象に対する感じ方です。この感じ方は「人や動物の幼児の身体的特徴が鍵刺激となり、大人に幼児を可愛らしいと判断させ、保護したいという欲求を解発させる」とのモデルに起源すると言われており、この考えに基づけば、かわいいは比較的単純な刺激応答として理解することができます。一方で、人や動物の幼児の身体特徴をどのようにしたらモノのデザインに取り入れることができるのかと考えると、その疑問に答えることは難しい。講義ではこれらの事情を解説します。