1. 固体電解質の界面・表面におけるリチウムイオン分布とイオン伝 導性
(2016年1月12日 11:30〜12:50)
次世代二次電池候補として全固体電池が期待されています。全固体電池では,液系電池にはなかった,固体・固体界面におけるイオン伝導が特性向上の鍵となります。本講座では,固体電解質の界面および表面構造に焦点を当て,その構造およびイオン分布,イオン伝導性を解説します。
- 全固体二次電池固有の抵抗
- 粒界抵抗
- 活物質・電解質界面抵抗
- 固体電解質の界面構造
- 界面反応相の形成
- 界面歪み
- 空間電荷層
- 固体電解質の界面・表面の分析例
- 電気化学的手法
- 電子顕微鏡による観察
- ナノ複合体を利用した分析
- メゾ細孔中のAgIの特異的イオン伝導の機構
- 正極活物質と固体電解質の界面構造とイオン伝導性
- 固体電解質の表面構造とイオン分布
- 界面構造制御によるイオン伝導性の制御
2. ハロゲン化リチウムの導入によるLi2S – P2S5系ガラスセラミック電解質の高イオン伝導化
(2016年1月12日 13:30〜14:30)
高いリチウムイオン伝導度を持つLi2S – P2S5系ガラスセラミックスの合成方法およびイオン伝導度測定方法について解説する。また、Li2S – P2S5系ガラスセラミックスのイオン伝導度をさらに向上させる一手法として、ハロゲン化リチウムを導入した系について、添加量と結晶性およびイオン伝導度の関係を解説する。
- リチウムイオン伝導性無機固体電解質の概要
- Li2S – P2S5系電解質の高イオン伝導化とハロゲン化リチウム
- Li2S – P2S5系ガラスおよびガラスセラミックスの合成手法
- メカニカルミリングによる合成
- Li2S – P2S5系ガラスおよびガラスセラミックスの導電率測定手法
- Li2S – P2S5系ガラスへのハロゲン化リチウムの導入
- ガラス化組成、導電率
- Li2S – P2S5系ガラスセラミックスへのハロゲン化リチウムの導入
- 結晶性、導電率
- 全固体電池の構成、充放電試験
- Li2S – P2S5系ガラスセラミックス+活物質の熱特性
- まとめ
3. 全固体電池の開発動向と車載に向けた今後の展望
(2016年1月12日 14:40〜16:00)
- 自動車を取り巻く環境
- 現状のリチウムイオン電池に対する課題
- エネルギー密度が大幅不足
- 高価である
- 構成材料が発火・発煙する
- 出力が経年変化で低下する
- 全固体電池への期待
- 将来の電動化技術:次世代電池の研究開発
- 我々の取り組みと成果
- 界面への保護層コーティング技術
- 「塗工プロセス」の全固体電池への適用
- 実際の電気機器を用いての実証
- まとめ:今後の展望と技術課題