1. 粘着剤のくっつく・はがれるメカニズム
(2016年1月28日 10:30〜12:00)
粘着剤は「簡単に瞬時に貼ることができ、剥がす時には簡単にしかもきれいに剥がせる」という特徴を持った機能性材料であり、事務・雑貨用品からエレクトロニクス、医療、自動車などの広範囲な分野で利用されています。本講座では、粘着剤がどうしてくっつくかという粘着理論について説明し、さらに接着剤と比較しながら粘着剤の概略を解説します。また、粘着特性の評価方法について解説するとともに、最近の粘着剤の高機能化について紹介します。
- 粘着剤はなぜくっついて、はがれるのか
- 接着理論
- 粘着理論
- 粘着概論 – 定義、接着剤との違い
- 粘着剤はなぜくっついて、きれいにはがれるのか
- 粘着剤の特徴
- 粘着物性とその評価方法
- 粘着力 (接着力)
- 保持力 (凝集力)
- タック
- 粘着力に及ぼす諸因子
- 粘着剤の種類
- ゴム系粘着剤
- アクリル系粘着剤
- 粘着剤の高機能化
2. 粘着・剥離のメカニズムとレオロジー特性
(2016年1月28日 12:45〜14:15)
- 粘着・剥離の基礎
- 粘着の界面科学
- 粘着とは,剥離とは?
- 粘着・剥離の駆動力
- レオロジーの基礎
- 線形粘弾性
- 非線形レオロジー
- 粘弾性体の破壊力学
- エネルギー散逸プロセス
- き裂進展速度に依存する破壊エネルギー
- 種々の剥離試験における物理的特性の違い
- 粘着・剥離過程の可視化実験
- 可視化実験の意義と問題点
- 可視化実験の具体例
- 内部変形過程の可視化
- 現象の動的なキャラクタリゼーション
- 粘着・剥離過程のモデリング
- 粘着・剥離に関する理論・シミュレーション
- エネルギーバランス
- 分子シミュレーション,連続体シミュレーションの問題点
- モデリングの具体例
- キャビテーションの効果を取り入れた定式化
- 計算結果とその解釈
- まとめと今後の展望
3. 粘着材料の各種分析技術
(2016年1月28日 14:30〜16:00)
粘着性発現物質からこれを用いた粘着材料、さらには粘着がもたらす不具合に至るまで最新の各種分析技術がいかにその構造、組成、粘着メカニズムに迫れるかを解説し、より高い粘着材料設計の指針を提供する。
- 粘着物質の構造解析
- 粘着性発現化合物:無水マレイン酸グラフトポリオレフィン
- グラフト構造解析:従来法と新規解析法
- NMRパルステクニックを駆使したグラフト構造解析
- ppmグラフトポリマーのグラフト率定量分析
- 粘着材料の評価
- 粘着材料:多層フィルム
- 多層フィルムの分析スキーム
- 多層フィルム (レトルト食品トレー) の分析例
- 粘着界面の評価
- 界面特性依存材料:炭素繊維強化樹脂 (CFRP)
- 界面粘着性評価:マイクロドロップレット法
- サイジング剤と粘着強度
- 粘着メカニズム
- 粘着関連の不具合解析
- 粘着不具合:異物
- 異物の分析方法
- 顕微IR
- nanoIR
- TOF-SIMS
- 異物分析例