1. パワーコントロールユニットの両面冷却とその実装技術
(2016年1月28日 10:00〜11:20)
電動車両の燃費向上は著しいものがある。HEVにおいては、内燃機関+電動機の構成であり車両重量が増加する。そこで、搭載するあらゆる部品に軽量化のニーズがあり、今回対象のパワーコントロールユニット (PCU) も含まれる。PCUは、大電流を扱うため、放熱性と小型化の両立が必要であり、本講座ではその実現のための考え方から、技術、実例を交えて紹介する。放熱設計は、全体構成を考える最初の部分で、いかに課題を抽出して問題点を解決するかが大切になる。
- カーエレクトロニクスの概要
- クルマ社会を取り巻く課題
- 環境対応 (電動車両)
- 車載電子製品への要求
- 小型化の必要性
- 標準化の必要性
- 小型インバータを実現する高放熱実装技術
- HEV用パワーコントロールユニット (PCU) に対する要求
- 要求実現のための整理
- 種々の冷却方式の比較
- 低熱抵抗化の工夫例
- 両面放熱構造に対応したパワーデバイスの形状
- 両面放熱構造の概要
- 両面放熱構造を支える実装技術
- はんだ材料
- パワーデバイスの構造
- はんだ付け技術
- 樹脂封止
- 樹脂封止技術
- 樹脂封止の効果
- 具体的製品の例と使われる技術
- 将来動向
- SiCへの期待と実装技術における課題
- 増加する電子製品へ車両設計上の対応
- 車載電子製品の開発の進め方
2. アルミニウムによるパワー半導体の冷却技術
(2016年1月28日 11:30〜12:50)
近年、環境性能に優れたハイブリッドカーや電気自動車の開発、生産が行われている。これらの自動車にはインバータ制御のモータで駆動している。インバータにはパワー半導体が使われているが、信頼性の観点から駆動時に発生する熱対策が重要な課題の一つとなっている。また、パワー半導体の発熱密度は大きくなっており、今後ますます熱制御が重要になる。
本講座では最新のパワー半導体の冷却技術について紹介し、パワー半導体 (電気・電子機器) の熱制御を行う上で必要な熱設計のポイント、考え方について解説します。
- パワー半導体の特徴とその冷却にかかわる課題
- 高温作動への対応
- 発熱密度増加への対応
- 電機・電子機器の冷却技術の基礎
- パワー半導体冷却において考慮すべき要件
- 次世代パワー半導体冷却の考え方
- 半導体冷却への適用が期待される技術
- 熱伝導経路の進化:直冷式冷却器
- 冷却構造の進化:両面冷却モジュール
- 熱伝達の進化:液冷用高性能フィン
- サーマルインターフェースマテリアルについて
- サーマルインターフェースマテリアルとは
- 次世代半導体用サーマルインターフェースマテリアル
- サーマルインターフェースマテリアルに求められる特性と問題点
- 高熱伝導率を達成できるフィラーシステム
3. 金属ポーラス体を用いた次世代型SiCパワー半導体の冷却技術
(2016年1月28日 13:30〜14:50)
本講座では、次代の省エネルギー・低炭素化社会の実現を大きく牽引するパワーエレクトロニクスのサーマルマネージメント問題に注目し、特に、本格的な量産が検討されている電気自動車や燃料電池車のSiC型車載用インバータ (発熱密度300W/cm2以上) の冷却技術について紹介する。特に、低ポンプ動力での冷却を可能とする金属ポーラス体を用いた冷却技術や相変化を応用した冷却技術について紹介する。
- 研究の背景
- 電子機器におけるサーマルマネージメントの重要性
- 車載用インバータにおけるサーマルマネージメント問題
- 金属ポーラス体を用いた冷却デバイス
- 電子機器冷却におけるポーラス体の応用
- 沸騰浸漬冷却による冷却限界
- 金属ポーラス体を用いた冷却デバイスEVAPORON
- 金属ポーラス体を用いた冷却デバイスの冷却性能と今後の展望
- 等方構造ポーラス体の冷却性能
- サブチャンネル装荷型ポーラス体の冷却性能
- 一方向性ポーラス体による冷却促進の可能性
- その他、相変化現象を応用した新しい冷却技術
- 気泡微細化沸騰による車載用インバータの浸漬冷却
- ナノテクノロジーを応用した沸騰冷却の促進
- 狭隘流路高熱伝導フィンによる車載用インバータの冷却技術
4. パワーデバイスの冷却構造の最適化と放熱性能の向上技術
(2016年1月28日 15:00〜16:20)
実際のIGBTモジュールやSiCモジュールでの事例を含めて技術紹介をします。
- パワー半導体デバイス
- パワー半導体モジュール
- 高耐熱化
- 高信頼性化
- 高放熱化
- 次世代パワーデバイス・モジュール
- まとめ