ドライバ疲労状態の検出、推定技術とその評価手法

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本セミナーでは、自動車の運転中にドライバの状態をセンシングして、事故防止へ活用する方法について詳解いたします。

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開催予定

プログラム

1. 自動車運転の疲労評価と評価指標の課題

(2016年1月14日 10:00〜11:20)

 本講座では、自動車運転の疲労について、評価指標の現状と課題を紹介し、評価を実施する上でのポイントを解説する。運転疲労に伴う生理的変化は、課題依存性が高く、個人差の影響を受ける。このため、生理学的な機序を理解して、仮説検証型の評価を実施する重要性について述べる。

  1. 背景
    1. 社会背景
    2. 安全システム
    3. 疲労評価の現状
    4. 疲労評価の課題
  2. 主観的評価
    1. 主観的疲労感
    2. 高速運転時の経時変化
    3. 長時間着座時の経時変化
    4. 全身と各部位との関連
  3. 生理学的評価
    1. 生理的背景
    2. 自律神経
      1. 自律神経活動
      2. 内分泌
      3. 心拍変動
    3. 循環
      1. 循環
      2. 血液循環
      3. 体液循環
    4. 筋活動
      1. 筋活動
      2. 生理的振戦
      3. 生理的振戦
  4. 運転疲労の推定
    1. 主観的疲労感の推定
  5. まとめ

2. 生体反応、体動からのドライバの疲労特性評価

(2016年1月14日 11:30〜12:50)

自動車事故の原因は、疲労による認知時間、反応時間の遅れなどが主な原因であり、事故はドライバ自身あるいはドライバ管理者の責任である。道路交通法でも過労による運転は法律違反となる。自動車シートメーカは、疲労しにくいシートの開発を目指しているが、シートによる疲労は定量的になされていない。そこで、ドライバの疲労の程度を運転中に測定し、疲労が蓄積していると判定された場合は、休息を促すようなシステムがあるとよい。ここでは、自動車運転時における官能評価、生体反応や体動から、ドライバの疲労特性を見出し、ドライバの疲労特性を定量的に評価する方法について説明する。

  1. 緒論
  2. 生体反応、ドライバの疲労特性評価実験
    1. 測定項目
      1. 主観量
      2. 生理指標
        1. 筋電位
        2. 発汗率
        3. 心電位
        4. フリッカー値
      3. 姿勢
        1. 骨盤位置および角度
        2. 座圧分布
      4. ビデオ録画
    2. 実験条件
  3. 実験結果
    1. 主観評価
    2. 生理指標
    3. 体動の指標
  4. 疲労特性予測モデル
  5. 結論

3. 心拍によるドライバの疲労検出と評価、推定

(2016年1月14日 13:30〜14:50)

センシング技術の普及と予防安全技術の進化に伴って、非接触によるドライバ状態検出技術の開発が進められています。本講座ではドライバ状態検出技術の中でも心拍による疲労検出・推定に特化して解説します。高速道路の距離延長などによって長距離を運転しやすい環境が構築されている中で、大きな事故に繋がる原因として運転時の疲労が問題となっています。本講座では、心拍を用いた検出手法の基礎を中心として、現状の技術動向、評価手法を解説します。また、実際の研究事例を紹介すると共に、今後の展望の一環として、疲労推定の可能性についても紹介します。更には、心拍による評価手法の短所についても説明します。本講座を通じて、今後の研究開発の参考にして頂ければ幸いです。

  1. 疲労と心拍の関係
    1. 心拍で疲労は測れるか?
    2. 作業時の疲労と心拍
    3. 運転時の疲労と心拍
  2. 心拍によるドライバ状態検出手法の技術動向
  3. 心拍による評価手法について
    1. R-R interval
    2. LF/HF
    3. その他の評価手法
      • RRV8-3
      • RRV8-3-10
      • HR10など
  4. 研究事例紹介 ~心拍によるドライバ状態検出・推定手法~
    1. 研究の背景
    2. 実験手法
    3. 実験内容
    4. 結果と考察
    5. 評価手法による結果の違い
    6. 疲労推定アルゴリズムの検討
  5. 統計科学的手法による疲労推定の可能性
    • 機械学習
    • Changefinderなど
  6. 心拍による評価手法の短所
  7. まとめ

4. 有効視野を用いたメンタルワークロード推定手法とその定量化

(2016年1月14日 15:00〜16:20)

 ヒトの視野の中で対象を細部まで明瞭に見ることのできる範囲 (2°程度) は中心視と呼ばれるが、その周りの周辺視野の中でもあるタスクを遂行する上で有効に活用されている視覚情報収集可能範囲を有効視野と呼ぶ。ドライバは有効視野内から得られる情報を手がかりに視線の移動を行っており、この有効視野とドライバの注意の及ぶ範囲は密接に関係している。そのため、有効視野の特性を理解することが、ドライバディストラクションの評価・メカニズム解明のために重要である。  そこで本講座では有効視野の定量的な評価手法、ならびに有効視野と注意状態の関係について解説する。また、ドライバに制限を課さない自然な運転環境において有効視野ならびに注意状態を計測、評価する手法について検討した事例を紹介する。

  1. 有効視野の定量的評価手法
    1. 有効視野の定義
    2. 心理測定曲線に基づく有効視野計測法
  2. 有効視野と情報処理資源 (注意資源) の関係
    1. メンタルワークロードの側面からの検討
    2. 覚醒度の側面からの検討
  3. 完全自由視条件下 (ドライビングシミュレータ環境) における有効視野の定量的計測手法
  4. ドライバの運転行動に影響しない、有効視野・注意状態推定の試み
    1. ドライビングシミュレータ環境における検討
      1. 眼球運動関連パラメータを用いた検討
      2. 眼球・頭部協調運動と有効視野、メンタルワークロードの関係
    2. モーターサイクルの実走行環境における検討
      1. 眼球運動関連パラメータを用いた検討
      2. 眼球・頭部協調運動パラメータを用いた検討

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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