本セミナーでは、自動車の運転中にドライバの状態をセンシングして、事故防止へ活用する方法について詳解いたします。
(2016年1月14日 10:00〜11:20)
本講座では、自動車運転の疲労について、評価指標の現状と課題を紹介し、評価を実施する上でのポイントを解説する。運転疲労に伴う生理的変化は、課題依存性が高く、個人差の影響を受ける。このため、生理学的な機序を理解して、仮説検証型の評価を実施する重要性について述べる。
(2016年1月14日 11:30〜12:50)
自動車事故の原因は、疲労による認知時間、反応時間の遅れなどが主な原因であり、事故はドライバ自身あるいはドライバ管理者の責任である。道路交通法でも過労による運転は法律違反となる。自動車シートメーカは、疲労しにくいシートの開発を目指しているが、シートによる疲労は定量的になされていない。そこで、ドライバの疲労の程度を運転中に測定し、疲労が蓄積していると判定された場合は、休息を促すようなシステムがあるとよい。ここでは、自動車運転時における官能評価、生体反応や体動から、ドライバの疲労特性を見出し、ドライバの疲労特性を定量的に評価する方法について説明する。
(2016年1月14日 13:30〜14:50)
センシング技術の普及と予防安全技術の進化に伴って、非接触によるドライバ状態検出技術の開発が進められています。本講座ではドライバ状態検出技術の中でも心拍による疲労検出・推定に特化して解説します。高速道路の距離延長などによって長距離を運転しやすい環境が構築されている中で、大きな事故に繋がる原因として運転時の疲労が問題となっています。本講座では、心拍を用いた検出手法の基礎を中心として、現状の技術動向、評価手法を解説します。また、実際の研究事例を紹介すると共に、今後の展望の一環として、疲労推定の可能性についても紹介します。更には、心拍による評価手法の短所についても説明します。本講座を通じて、今後の研究開発の参考にして頂ければ幸いです。
(2016年1月14日 15:00〜16:20)
ヒトの視野の中で対象を細部まで明瞭に見ることのできる範囲 (2°程度) は中心視と呼ばれるが、その周りの周辺視野の中でもあるタスクを遂行する上で有効に活用されている視覚情報収集可能範囲を有効視野と呼ぶ。ドライバは有効視野内から得られる情報を手がかりに視線の移動を行っており、この有効視野とドライバの注意の及ぶ範囲は密接に関係している。そのため、有効視野の特性を理解することが、ドライバディストラクションの評価・メカニズム解明のために重要である。 そこで本講座では有効視野の定量的な評価手法、ならびに有効視野と注意状態の関係について解説する。また、ドライバに制限を課さない自然な運転環境において有効視野ならびに注意状態を計測、評価する手法について検討した事例を紹介する。