金属材料における疲労破壊の機構・要因と強度設計および破面解析

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本セミナーでは、疲労破壊の未然防止のため、疲労破壊の主要因である塑性変形、構造物の破壊におけるき裂の力学である破壊力学を疲労破壊と共に解説いたします。

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プログラム

破壊事故の約80%は疲労破壊に起因するとされています。塑性変形が破壊の前駆過程である疲労破壊は塑性変形を殆どせず瞬時に破壊する脆性破壊とは大きく異なっています。疲労破壊を未然に防止するには、その前駆過程である塑性変形の理解が大事であり、同時に、時間と共にき裂進展することから、き裂の力学である破壊力学の理解も大事です。一見相反する塑性変形と破壊現象を構築しているそれぞれの学問体系の理解は疲労破壊の本質にせまることになります。  構造部材の設計者・技術者において、部材の強度は設計の基本となる重要な因子です。疲労破壊においては、この部材の強度と共に、部材の構造、変動負荷、材料の3大要因を有効に制御し、その防止対策の構築が求められます。本セミナーでは、疲労破壊などの破壊防止に携わる技術者・設計者はその未然防止に有効な指針を取得し、加えてこれから疲労破壊の基礎を学ぶ意欲のある技術者・設計者においては、疲労破壊と破壊力学の基礎知識を得る場となると確信しています。

  1. 金属強度設計における疲労破壊要因としての塑性変形の基礎
    1. 弾性変形に基づく構造強度と塑性変形に基づく金属強度
    2. 金属強度としての塑性変形とせん断応力
    3. 金属強度としての塑性変形の支配要因
    4. 金属強度と疲労強度の正の相関関係
    5. 弾性荷重と思われる低荷重の繰り返しでも生じる疲労破壊
  2. 破壊の基礎
    1. 破壊の分類
      1. 塑性変形の大小
      2. 破壊要因
      3. 時間依存
      4. 破面形態
    2. 金属強度と脆性破壊の負の相関
    3. 脆性破壊とは大きく異なる金属疲労
    4. 時間依存型破壊としての疲労破壊と遅れ破壊の相違
  3. 破壊力学の基礎
    1. 脆性破壊としての応力集中と応力拡大係数
    2. Irwinの破壊力学を疲労破壊に適用
    3. Irwinの破壊力学特性を疲労破壊に適用
    4. Irwinの破壊靱性の疲労破壊での有効性
  4. 金属疲労破壊機構と破面解析
    1. 疲労進行過程
      1. 損傷
      2. き裂発生
      3. き裂進展
      4. 破断
    2. ストライエーションとき裂先端の塑性変形
    3. ストライエーションから推定可能なき裂発生場所、進行方向、荷重サイクル数
    4. ストライエーションがAl合金で多く見られる理由
  5. 疲労破壊事例からの教訓
    1. 英国コメット機の疲労破壊事故
      1. 疲労における過大荷重の評価
      2. き裂先端の塑性域の存在とその大きさの評価
    2. 各種構造物の疲労破壊事故
      1. ストライエーションの発現は疲労破壊の必要十分条件か
  6. 疲労寿命予測と防止策
    1. ASMEによる疲労寿命予測法
    2. 究極の疲労防止対策としての金属表面硬化処理

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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