第1部 薬価申請・原価算出方法の実際と交渉で有効なデータ取得・申請資料作成
(2015年12月17日 10:30〜12:50)
近年の薬価制度改革及び最近の薬価算定状況等を踏まえ、高薬価・加算取得に向けた有効な薬価申請資料の作成と交渉戦略のポイントについて、分かりやすく解説する。 また、多く見られる当局からの照会事項の内容と回答の留意点についても言及する。
- 薬価算定ルールの概要
- 類似薬効比較方式 (I) (II)
- 原価計算方式
- 補正加算と加算率のポイント計算の考え方
- 外国平均価格調整
- 再算定
- 薬価収載手続の流れ
- 薬価算定に関する基礎的知識
- 新薬の薬価算定プロセスと具体的な算定事例
- 予想される2016年度薬価制度改革のポイント
- 薬剤の経済評価 (HTA) 導入と今後の展望
- 薬価申請の実際とそのポイント
- 最類似薬の選定
- 補正加算の該当性
- 原価計算方式における原価計算表作成と各種の費用計上
~原価計算の実際、計上可能な費用の範囲と査定の対象となる費用など~
- 売上予測
- 外国価格調整 (英米独仏のリスト価格、米のASPなど) とその実際
- 検討の基礎となるデータ・資料 (薬剤分類表、審査報告書、試験デザインなど)
- 当局の薬価の妥当性の判断の視点
- 有効な薬価申請資料作成のポイント
~最類似薬の選定理由欄、有用性加算欄の記載方法、補足資料など~
- よくある当局からの照会事項と回答の留意点
- 高薬価・加算取得を目指した交渉戦略のポイント
- 薬価戦略立案とシナリオ策定の具体的な進め方
- 薬価交渉を上手く進めるためには
第2部ケーススタディと妥当高薬価へのアプローチ、R&Dリスクテイクと機会損失回避
(2015年12月17日 13:30〜15:50)
中医協資料に基づき、2015年迄の薬価収載事例を体系的に分けて、A事例成功の梃子要素はOOOだった、B事例成功の梃子要素はOOOだったなどを事例ごとに解説し、傾向についても私見を述べる。薬価戦略はライセンス候補段階から承認前後を含む。
ケーススタディは各事例の算定方式、特徴特異性から次のように分類する
- (A) 原価方式、1st in Class, Unmet Medical Needs, 難病、その他、R&Dリスク高い
- (B) 原価方式、新投与経路、原薬同じでもDDS新剤型で価値創出、R&Dリスク相対的に低い
- © 類似薬効方式、Best in Class, 有用性加算、市場加算など、R&Dリスクは (A) より低い
- (D) 類似薬効、規格間調整、配合剤特例、その他
- 薬価戦略はどの段階から検討準備するのが好ましいか – R&D段階から薬価申請準備まで
- 患者の流れを含め治療にどう貢献するかは個別新医薬品ごとに大きくまたは微妙に異なる
- Target Product Profile (TPP) – POCとR&Dリスクテイクと事業化・薬価戦略
- 原価方式ケースの研究開発、製造、その他コスト、投与患者数などと薬価の相関関係
- 希望薬価予測Assumptions変数の透明化、モデリング、予測の精度向上で間違い回避
- 重要性を増す医薬経済評価アウトカムリサーチおよび近未来の活用
- お値ごろ感って言われるが、実態は何だろうか … 予測算定の罠にはまらないように
- 質疑応答・名刺交換
第3部 HTA導入に向けた薬価戦略における医療経済・アウトカム研究 (HEOR) およびリアルワールドデータ活用
(2015年12月17日 16:05〜17:15)
医薬品などの保険適用に費用対効果の考え方が2016年より部分的に導入され、今後の薬価を含む製品戦略には、医薬品の臨床的な価値だけではなく経済的な価値も含めた包括的な価値の提案が必要となることが予想される。本講演では、すでに医療技術評価 (HTA) が導入されている諸外国での実例も紹介しつつ、今後の日本での薬価・製品戦略へのHEORの活用の可能性について述べる。
- 医薬品をとりまく医療政策の変化
- 日本におけるHTAの動向
- 欧米におけるHTAの動向
- HTA時代に向けての薬価戦略
- リアルワールドデータ
- 開発早期からの薬価戦略 (マーケットアクセス)
- HTAに対応した価値の提案 (Value Proposition) とValue Dossier
- 日本におけるHEORの薬価・保健償還への活用の可能性
- HEORによる薬価・製品戦略への包括的な価値の提案
- 費用対効果 (Cost-effectiveness)
- 疾病負担 (Burden of illness)
- 財政への影響 (Budget impact)