実用化に向けた撥・親液性表面創製技術動向

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プログラム

第1部 実用化に向かう次世代の撥液表面創製技術

(2015年12月11日 10:40〜12:10)

 これまで水や油をはじく表面を作製するには、有機フッ素化合物を使用し、見た目の接触角を大きくすることが重要であると考えられてきた。動的濡れ性を制御することができれば、有機フッ素化合物を用いなくとも、また、接触角を大きくしなくても、水や油、あるいは氷の付着をも抑制することができる。  撥液 (撥水/撥油) 処理において、接触角の大きさはあまり問題ではありません。また、有機フッ素化合物は必ずしも必要ではありません。  本講演では、撥液 (撥水/撥油) 処理の基礎と、講演者らの最新の研究開発状況について実例を挙げながら分かりやすく解説する。

  1. 濡れの基礎
    1. 静的接触角
    2. Youngの式
    3. Wenzelの式
    4. Cassieの式
    5. 三相接触線の重要性
  2. 動的濡れ性
    1. 接触角ヒステリシス
    2. 転落角
    3. 動的濡れ性制御 (低ヒステリシス化) のコンセプト
  3. 撥液表面の開発状況
    1. 有機 – 無機ハイブリッド皮膜
    2. 耐熱性に優れた撥油皮膜
    3. 生物の分泌機能に学んだ撥液材料
      • 粘性液体に対する撥液性
      • 着氷防止機能
      • 自己修復型超撥水性
  4. まとめと今後の展開

第2部 ~長寿命超親水性~ 階層性メソポーラス構造層による防汚、防曇、反射防止ガラス

(2015年12月11日 13:10〜14:40)

 近年、我々は、簡便なプロセスによって一般的なケイ酸塩ガラス表面に階層性メソポーラス構造層を形成できることを見出した。この構造層は、従来実現が困難であった長寿命の超親水性を示し、それによって防汚・防曇効果を発揮することが明らかとなった。さらにはその階層性によって高い光反射防止効果も得られ、防汚・防曇と併せて工学系用途への応用が期待できる。本講演では、本構造の詳細から機能性発現のメカニズムまでを概説する。

  1. 超親水性表面
    1. 超親水性表面の特徴
    2. 効果持続時間
    3. 防汚・防曇効果のメカニズム
  2. 階層性メソボーラス構造層 (HNL) ガラス
    1. 構造の特徴、階層性
    2. 作製方法
  3. HNLガラスの特徴
    1. 長寿命超親水性
    2. 効果の長時間持続メカニズム
    3. 防汚効果
    4. 防曇効果
    5. 光反射防止性
    6. 反射率低減のメカニズム (モスアイ効果)
    7. HNLガラスの応用展望

第3部 高耐久性撥水表面技術と表面特性利用技術の新展開

~光触媒・有機モノリス構造・セルフクリーニング・多孔質無機材料~

(2015年12月11日 14:50〜16:20)

 これまでに、超撥水性表面の研究報告は数多くあり、実用の事例もあるが、さらなる耐久性の向上が求められる。ここでは、有機モノリス構造体を用いた、発想の転換を図った超撥水性表面の作製事例 (材料設計指針) を紹介する。さらに、各種の濡れ性の表面 (構造体) の応用事例についても、触れていきたい。

  1. 表面濡れ性の評価
    1. 濡れ性の評価方法
    2. 動的な濡れ性評価のニーズ
    3. 動的な濡れ性の評価方法
    4. 動的な濡れ性の評価例
    5. 液滴が転落する際の内部流動
  2. 高耐久性超撥水性表面を目指すための材料設計
    1. 超撥水性表面を高耐久性化する際の課題
    2. 有機モノリス構造体を用いた高耐久性超撥水性表面の設計コンセプト
    3. 有機モノリス構造体を用いた高耐久性超撥水性表面の機能
  3. 各種濡れ性を有する表面の流体摩擦評価
    1. 超撥水性と超親水性における流体摩擦の低減効果
    2. 光誘起超親水性を用いたマイクロ流路内における攪拌効果の向上
  4. 撥水性及び親水性の表面濡れ性を生かした新規利用方法の展開
    1. エレクトロウェッティングによる流体運動の制御
    2. 氷結や結露の抑制
    3. 有機モノリス構造体をテンプレートとして用いた多孔質無機材料の作製

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144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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