濃厚系 微粒子分散・凝集評価の肝心要

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プログラム

第1部 濃厚分散系の分散・凝集評価の基礎とその実際 – 分散性評価を中心に -

(2015年12月9日 10:30〜12:00)

 近年、エレクトロニクスメーカー等によって製品化されている多くの商品は、センサーに代表される電子材料だけに留まらず、磁性材料、液晶、有機EL、太陽電池、燃料電池、二次電池等、いずれも粉体を媒体中に分散させたスラリーを経て製品化される。しかし、使用されるスラリーは粒子濃度が高い故に光をプローブとする従来法では有用な情報を得ることができず、現場での問題解決に繋がらない場合が多い。  本講では、まず、分散性・分散安定性の定義など基礎的事項を説明し、そのあとで実用プロセスでの問題解決に繋がる応用面を網羅できるように実用例を挙げながら種々の評価法について説明を行う予定である。とくに第1部では、分散性評価法を中心に述べ、ゼータ電位法やDLVO理論の活用法など分散安定性の評価については第2部で解説する予定である。

  1. 濃厚分散系の分散・凝集評価の基礎
    1. 濃厚系の特徴と評価に対する注意点
    2. 分散性と分散安定性の定義とは? – 実用系で観察される現象とそれへの対策 -
    3. 分散性とその新しいパラメータHDP (Hansen Dispersibilty Parameter)
    4. 分散安定性とその安定化機構 – 何を評価すればよいか?予測は可能か?
    5. 分散性・分散安定性評価法概論 – 濃厚系のまま希釈せずに評価する最新手法 -
  2. 分散性評価法 – その1:超音波スペクトロスコピーによる評価 -
    1. 超音波スペクトロスコピーによる評価概論 (濃厚系で使える唯一の粒度分布評価法)
    2. 超音波スペクトロスコピーの原理
    3. 超音波スペクトロスコピーを用いた分散性 (微粒子化過程) 評価と分散状態
    4. 濃厚分散系の粒度分布評価方法とその実用例の紹介
  3. 分散性評価法 – その2:自然沈降分析法ならびに遠心沈降分析法による評価 -
    1. 沈降分析法による粒子径分布評価 I (微粒子化の程度を高分解能の粒子径分散で見る!)
    2. 沈降分析法による粒子径分布評価 II (微粒子化のし易さの程度を粒子表面の濡れ性 (HDP) で見る!)
    3. 自然沈降分析法と遠心沈降分析法の原理
    4. 自然沈降分析法ならびに遠心沈降分析法を用いた分散性評価の実例紹介
  4. 分散性評価法 – その3:パルスNMRによる評価 -
    1. パルスNMR法による界面特性評価と分散性との関係
    2. パルスNMR法の原理 – NMRで何を測って、何が分かるの? -
    3. パルスNMR法による分散性評価の実例紹介 – 超高感度な評価 -

第2部 濃厚分散系の分散安定性評価の基礎とその実際 – ゼータ電位を正しく使うコツ -

(2015年12月9日 12:50〜14:05)

 濃厚分散系の分散安定性評価というと、従来、用いている溶媒で希釈してゼータ電位を測定し、25mV以上あるか否かを調べて安定性の指標とすることが多かった。しかし、このような単純な評価では多成分からなる実用系ではゼータ電位からの判断と食い違うケースも多々存在した。  本講では、濃厚系に直接適用可能な手法を2種類紹介する。また、ゼータ電位をパラメータとして用いると良いケース、適用の可否を判断する手法など、技術者の方々が実際に遭遇するである場面を想定して、実験例を紹介したい。

  1. 分散安定化機構と濃厚系に適用可能な分散安定性評価法
    1. 分散安定化機構とDLVO理論
    2. 濃厚系の特徴と濃厚系に適用可能な分散安定性評価法概論
  2. 分散安定性評価法 – その1:超音波スペクトロスコピーによる評価 -
    1. 超音波スペクトロスコピーとESA法による評価概論 (濃厚系で使える唯一の評価法)
    2. 超音波スペクトロスコピーとESA法の原理
    3. 超音波スペクトロスコピーを用いた分散安定性評価の実用例紹介
  3. 分散安定性評価法 – その2:自然沈降分析法ならびに遠心沈降分析法による評価 -
    1. 自然沈降分析法ならびに遠心沈降分析法による安定性評価概論
      1. 分散安定性の見える化
      2. 沈降速度の評価
      3. ポットライフの見積りと実例
      4. 粒子圧密過程の評価と凝集粒子の検出法
    2. 沈降分析法による沈降速度評価
    3. 沈降分析法によるポットライフの評価 – スラリーの寿命を予測する -
    4. 自然沈降分析装置と遠心沈降分析装置の使い方と実例紹介
    5. ゼータ電位測定と沈降分析法の併用による評価 (ゼータ電位計を正しく使うコツとは?)

第3部 沈降静水圧法・浸透圧測定法・直接観察法による評価の要点

(2015年12月9日 14:20〜15:35)

 液中での粒子分散・凝集状態を評価する手法を、実際の測定例も交えながら、解説します。特に評価が難しい濃厚系 (高粒子濃度) のスラリーや多成分の粒子からなるスラリーについて、粒子集合状態をいかに評価し、実プロセスに応用していくかを解説します。沈降静水圧法・浸透圧測定法・直接観察法は全て我々が独自に開発した手法で、すでに様々な産業現場で活用されています。

  1. イントロダクション
  2. 濃厚スラリー評価の必要性
  3. 粒子の分散・凝集評価方法
    1. 重力沈降・遠心沈降法
    2. 沈降静水圧法
    3. 浸透圧測定法 ーナノ粒子スラリーの評価法ー
    4. 直接観察法
  4. スラリー評価に基づくプロセス制御の実例
    1. 沈降法のスプレードライへの応用 ーセラミックスプレス成形の最適化ー
    2. スラリー特性に及ぼす微量添加物の影響
    3. 多成分スラリーの評価 ーリチウムイオン電池正極材料スラリーを例にー
  5. まとめ

第4部 粘度・動的粘弾性測定による微粒子の分散・凝集状態評価

(2015年12月9日 15:45〜17:00)

 コロイド分散系、濃厚系スラリーの複雑な流動特性、均一/不均一、凝集、長期安定性など粒子の分散特性は一般的な粘度の評価では解明することができない。そこで近年粘弾性評価による粘性と弾性の同時測定による評価手法が注目を集めている。本講座では粘弾性測定の基本的な考え方からその応用例を実際のサンプル測定データと共に紹介する。

  1. 粘度・動的粘弾性測定による微粒子の分散・凝集状態評価
  2. 粘弾性測定とは
    1. 粘弾性・粘弾性体とは ~身近に存在する粘弾性物質~
    2. 従来の粘度特性評価機とは ~回転粘度計の特徴と限界~
    3. 粘弾性測定装置とは ~最新の粘弾性測定装置の特徴~
  3. 粘弾性測定の基礎
    1. 粘弾性測定の概要 ~回転測定と振動測定~
  4. 回転 (静的) 測定の概要
    1. 回転測定の概要 ~変形方法、粘弾性変数~
      1. ニュートン流動現象 ~粘度が一定?~
      2. ダイラタント現象 ~粘度が上昇?~
      3. シアシニング現象 ~粘度が下降?~
    2. 回転測定評価例
      1. 塗工性の評価 ~タレ性、レベリング性~
      2. 塗膜形成過程の評価 ~塗布したサンプルが塗膜を形成するまで~
  5. 振動 (動的) 測定の概要
    1. 振動測定の概要 ~変形方法、レオロジー変数~
    2. スラリーサンプルの評価例
      1. 粒子分散特性 ~均一分散?不均一分散?~
      2. 長期分散特性 ~沈降する?沈降しない?~
  6. その他の評価事例
    1. パウダーの流動特性 ~さらさら?しっとり?~
    2. 湿度特性 ~湿度変化による物性変化~

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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