リスクアセスメントとはエラストマー加工のトラブルや不具合・損失、加工現場作業が抱える疑問点などのリスクを解析・評価 (アセスメント) して、防止策につなげることである。混練加工・成形加工工程の品質・損失に及ぼすリスクおよび顧客のニーズを集大成して、コンパウンド設計に反映する。また、自動車の変遷に伴い、ゴム配合の様変わりや成形加工の改善を燃料系部品、窓枠系部品を事例に解説する。
古きマヨネーズ手作りは私のゴム配合・混練の原点です。ポリマー (生ゴム) の選択、それにカーボンブラックの添加のタイミング、混練手順はカーボン凝集のない、配合剤の分散性の良い練生地をつくるコツでもある。
またゴムは伸び・縮みするため、架橋という手法がとられ、ゴム弾性の特性を有するため、多くの用途があり、その技術は限りなく追求せねばならない。そのためには現場の生の声、後工程のニーズおよび顧客の要求に答えるコンパウンド作りであり、加硫成形であらねばならない。さらに、ゴム加工工程おけるトラブル・損失などリスクを整理し、不良原因の解析・評価を行うことにより、事前に不具合を前もって予測し、防止策をとりたいものである。
- エラストマー加工現場の生の声とリスクアセスメント
- ゴムの保管期限、保管条件などの管理基準
- 混練機の配合分散と分散状態の見方と基準
- 練生地の熟成はなぜ必要としているのか、そのメカニズムは
- 1ステージ練はできないか、またその危険度は
- ゴム替えの際のゴム残留物の品質への影響およびその除去方法
- 混練加工・成形加工の現状・課題と加工技術の限りない追求
- 2次加硫の合理的な処理方法
- 金型汚れのメカニズムと洗浄方法並びに汚染しない金型材料/表面処理
- 短時間加硫成形の考え方とその配合と成形方法
- 接着剤無しでの配合と加硫方法
- ばりレス金型、成形機および成形方法
- スチーム (缶) 加硫でパーオキサイド加硫はできないか。
- 厚肉製品の適正な加硫条件と収縮率の考え方
- インジェクション/コンプレッション成形時の流動性の指標と必要面圧
- 加工工程の課題及び顧客ニーズを反映したゴムコンパウンド設計
- 環境変化に伴う燃料系エラストマー製品とNBR・HNBRからFKMへ
- ヘタリ (圧縮永久歪み) のメカニズムと加硫系の追求
- ゴムはすべての材料の塊で共通の物差しの比重の活用
- 耐候・耐熱性は漢方薬と即効薬とのバランス設計
- 耐油性は膨潤現象の逆手の利用と酸化油の対処
- 接着剤なしでの金属との加硫接着方法
- 労働衛生法改正に伴う配合ならびに現場の改善
- 加工現場のコントロール・バンデイングによるリスクの評価と改善