エポキシ樹脂は、接着性や絶縁特性など非常に高いパフォーマンスを持つが、 エポキシ主鎖の化学構造および選択する硬化剤や副資材によって、その物性は大きく異なる。
ここでは、エポキシ樹脂 (主鎖) の化学構造を理解し、さまざまな硬化剤との反応機構を捕らえることで、 硬化物の良い物性を得るための基礎的な考え方を示す. 加えて、副資材の一つで大きく物性を変えることのできるフィラーの使い方と、熱衝撃試験による 耐クラック性解析により、硬化物の物性評価に関する方法論を紹介する。
- 第1部 エポキシ樹脂の化学構造と特徴
- エポキシ樹脂硬化物の高分子構造
- 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
- エポキシ樹脂硬化物の分子構造
- エポキシ環の反応性とその特徴
- ビスフェノール型エポキシ樹脂の構造と特徴
- ビスフェノールA型樹脂の特徴と用途
- ビスフェノールA型樹脂の原料と合成
- ビスフェノール型のバリエーション
- ノボラック型エポキシ樹脂の構造と特徴
- フェノールノボラック型/クレゾールノボラック型
- ノボラック型エポキシ樹脂のバリエーション
- その他のエポキシ樹脂
- 環状脂環式,グリシジルエステル,グリシジルアミン,複素環式
- ビフェニル型,多環芳香族,水添脂環式
- 第2部 主な硬化剤と硬化メカニズムの基礎
- 硬化剤と活性水素
- 硬化剤の種類
- 活性水素
- アミン系硬化剤との反応
- アミン系硬化剤との反応
- アミン系硬化剤の種類
- ポリチオール硬化剤
- 酸無水物系硬化剤との反応
- 酸無水物硬化剤との反応
- 酸無水物硬化剤の種類
- フェノール系硬化剤との反応
- その他の硬化剤
- イミダゾール
- DICY
- 第3部 副資材とその効果
- 副資材の種類と特徴
- 充填材の種類と特徴
- フィラーの用途
- フィラーを充填したエポキシ樹脂の機械的特性
- 弾性率,強度
- 破壊靱性
- ハイブリッド充填
- 無機フィラーを充填したエポキシ樹脂の耐水性・耐食性
- エポキシ樹脂の耐酸性・耐アルカリ性
- フィラーを充填した樹脂への浸入と浸入抑制
- フィラーを充填した樹脂の化学的劣化
- 第4部 エポキシ樹脂の耐熱衝撃性の評価方法
- 熱衝撃とは
- 熱衝撃と内部応力
- パッケージクラックとその改善
- 熱衝撃試験方法
- 試験方法
- 耐クラック性の定量的評価
- 熱衝撃特性に及ぼす水分の影響
- フィラーを充填したエポキシ樹脂の耐熱衝撃性評価
- 硬質フィラーを充填したエポキシ樹脂の耐熱衝撃性
- 軟質フィラーの効果とハイブリッド充填
- 高いアスペクト比を持つフィラーの耐熱衝撃性