本セミナーでは、あいまいな感性を脳科学からアプローチし、 “脳科学でわかること/わからないこと”“商品開発・品質管理・マーケティングの現場でどう使うか“を事例とともに解説いたします。
(2015年12月17日 12:30〜14:30)
我々の研究グループでは、これまでにカオス・フラクタル理論に基づいた 異分野融合型研究を展開し、その一環として、感性を付加価値とした商品 開発を目指すと共に、喜怒哀楽といった感情 (浅い感性) に留まらず、ストレ スや軽快感、清涼感、安心感、快感、爽快感といった高次感性 (深い感性) を計測することに挑戦してきた。このような感性情報計測技術は、“性能”、 “価格”、“品質”に次ぐ、第4の商品価値とパラダイムをもたらし、産業界に “感性価値”という新基軸を確立するものと期待されている。 本講演会では、感性計測の基礎と具体的な開発事例への展開を実践的 な立場から紹介する。
(2015年12月17日 14:45〜16:45)
人は自分の行動の真の動機に気づいていない。購買行動を決める理由の 多くは後から考えた理屈である。あれを取るか、これを取るかといった行動の 根底には無意識の過程がある。近年の神経科学の発展によって、このような 無意識の過程の基盤が明らかになってきた。 嗜好を決める上で重要な役割を 担っているのが「報酬系」と呼ばれるドーパミン神経である。このドーパミン神 経の活動を記憶の神経回路が修飾している。 ヒトの嗜好は記憶の中に深く刻み込まれ、高次の脳が意識するよりも早く行動の決定をする。 このようなメカニズムが現実の意思決定の中でどのように働いているかを考えてみたい。