プラスチック材料あるいはFRP等の複合材料は、酸やアルカリ水溶液環境下でも腐食に耐える耐食性の高い材料であるが、それでも厳しい環境に長期間曝されると、溶液が浸透すると機械的強度が低下し、さらに高温高濃度では加水分解などを起こして劣化する。
ここでは、酸・アルカリ水溶液環境におけるこれら劣化現象を腐食劣化と定義してその劣化形態に基づいた考え方と劣化機構について解説し、さらにその対策や寿命の推定方法について議論する。
- 耐食樹脂の化学構造と特徴
- 耐食性樹脂の種類と化学構造
- 化学構造と耐食性 ~エポキシ樹脂を例として~
- 不飽和ポリエステル
- ビニルエステル樹脂
- エポキシ樹脂
- 熱可塑性樹脂とふっ素樹脂
- ゴム
- 耐食FRPと耐食積層構造
- 防食樹脂ライニング
- プラスチック材料の腐食劣化
- 耐食用途への適用事例
- 耐食FRP
- FRPライニング
- フレークライニング
- シートライニング
- 酸・アルカリ環境下における劣化事例
- 物理的劣化と化学的劣化
- 物理的劣化
- Fickの理想拡散とCaseⅡ
- Fick則
- CaseⅡ拡散
- 溶解度パラメータ (SP)
- 可逆性
- フィラーあるいは強化材の効果
- 化学的劣化
- 化学的劣化の3形態
- 表面反応型
- 腐植層形成型
- 腐食層形成型の挙動1 (平方根則)
- 腐食層形成型の挙動2 (直線則)
- 化学構造による検討
- 全面浸入型
- 劣化の考え方と寿命推定法
- 統一的な劣化機構の解析手法
- 加速因子とアレニウスプロット
- マスターカーブと寿命予測
- サンドイッチモデル (腐食層形成型)
- 浸入速度による評価 (全面浸入型)