第1部「シリンジ・注射剤容器における材料の選定・試験法と想定される問題点・企業の対応」
~3極の医薬品包装規制の現状比較と重要相違点・留意点~
(2015年11月30日 10:30〜13:00)
医薬品容器・医療機器用材料としてプラスチックとゴム、ガラスが主に使用され、日欧米では薬局方により試験法と規格が規定されている。現在、医薬品分野においては国際調和会議により3極の整合化が推進されているが、整合化完了は微粒子のみであり、3者の規制には多くの相違点がある。又、日本の医薬品容器の具体的規格は水性注射剤容器のみであり、欧米と比較して大きな違いが見られるのが現状である。また、シリンジ等の医療機器申請においては、ISO規格が国際的に定着しており、申請書の記載基準において必要な試験とその試験法が提示されている。
一方、日本では医療用材料のマスターファイル制度があるものの、医薬品容器と医療機器は未実施状態となっている。又、医療機器包装のガンマ線滅菌に関しては産業界のガイドラインが規定されている。企業としては、これらの現状を充分知った上で材料選定と試験による適合性確認が必要である。
又、厚労省の食品包装用樹脂の制度化新方針、包装材料に含まれる化学物質と健康影響要因、企業としてのリスク管理の進め方も紹介する。
- 包装を取り巻く環境
- 医療分野に使用される材料の概要
プラスチック・ゴム・ガラス、包装材料の使用割合 (食品包装)
- 医薬品規制の国際調和会議 (ICH) の進捗状況
- 日本の医薬品包装規制:日本薬局方 (JP) 、第17改正案
- 米国の医薬品包装規制:米国薬局方 (USP)
- 欧州の医薬品包装規制:欧州薬局方 (EP)
- 3極の医薬品包装規制の現状比較と重要相違点・留意点
- 医療機器申請における原材料の記載基準:ISO及びJIS
- 良くある質問
- 医療用原材料マスターファイル制度の現状
- 医療材料のガンマ線滅菌の現状と法的位置付け
- シリンジ・注射剤容器材料のまとめ
- トピックス :厚労省の食品包装用樹脂の制度化方針と医療分野への影響
- 包装材料に含まれる化学物質と健康影響要因
- 想定される問題点と企業の対応
- まとめー企業におけるリスク管理の進め方 -
- 参考資料と情報入手先
第2部「プレフィルドシリンジの品質基準・設計と医療現場ニーズをふまえた機能付加・新規性」
~バレル・ガスケット、トップキャップ設計上の留意点~
(2015年11月30日 13:45〜16:30)
プレフィルドシリンジ製剤は、薬液との安定性の面からガラスが一般的であったが、バレルに使用可能な樹脂が見出されて以来、破損防止や加工のしやすさからプラスチックバレルのプレフィルドシリンジが普及してきた。
今回シリンジ材質選定に必要な試験項目とプレフィルドシリンジに汎用されてきたプラスチック材質の特性と品質基準、市場でトラブルを発生させないための設計時の留意点ならびに品質・機能の評価方法、海外の最近の機能付加の事例など演者の経験を踏まえて紹介する。
- キット製剤の定義とプレフィルドシリンジの利点
- プレフィルドシリンジの材料特性と設計
- シリンジ材質の品質基準
- ガラス容器試験
- プラスチック容器試験
- 新規バレル樹脂の生物学的試験
- プラスチックバレルの材質
- シリンジバレルに使われる樹脂の特性
- プレフィルドシリンジのバレルに使われる樹脂 (PP、COC、COP) の特性
- ガスケット材質
- ゴム材質の特徴
- バレル (ガラス、プラスチック) 設計上の留意点
- バレル設計上の留意点
- 硝子シリンジの破損部位と防止策 (例)
- 使用性に関する設計時の留意点
- プラスチックバレルの滅菌による寸法変化
- ガスケット、トップキャップ設計上の留意点
- ガスケット径と密封性
- シリコン塗布量の使用性 (摺動性・微粒子) への影響
- トップキャップの密封性
- トップキャップのシリコン塗布量と開封性
- 設計時の主な品質・機能評価
- 試験法紹介
- プレフィルドシリンジ製剤の製造方法
- 生産例と工程管理
- バリデーション
- プレフィルドシリンジへの機能付加
- 機能付加 の事例紹介
- 海外の自己注射のディバイス紹介
- 無針注射
- ICタグ,磁気ラベル貼付シリンジ