次世代のパワートレイン系、エンジンの小排気量化、燃費改善・向上技術は自動車業界の流れに不可欠なものでしょう。そしてターボ過給を組み合わせた「ダウンサイジング」技術の導入が進んでおり、注目されています。そのような背景から本セミナーを企画しました。
今回はパワートレイン系に知見のある元自動車メーカー、自動車関連メーカーでご活躍された3人の講師から、設計・トレンド、動向・予測などダウンサイジング技術、ターボ過給を中心に学ぶセミナーです。
第1部: 自動車エンジンにおけるダウンサイジングとターボ過給と今後の展望
(2015年11月30日 10:00～12:00、12:50～13:50)
エンジンを中心とする自動車関係の燃費低改善技術の最新動向や将来展望、排ガス、燃費規制動向を中心に解説します。最近注目されている燃費改善技術の動向や特徴、課題について解説、その燃費改善技術の中でも特に最近グローバルに展開が進んでいるエンジンのダウンサイジングやターボ過給関連技術の最近の動向や今後の展望について主に解説します。さらに、次世代のパワートレインシステム全体の動向と課題についても解説します。
- グローバル市場での排気ガス・燃費規制動向
- ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、代替燃料車、燃料電池車の概要と特徴
- パワートレインシステムの概要と主な製品の概要
- グローバルなパワートレイン分野の今後の動向予測
(ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、代替燃料車等の次世代自動車等)
- 最近の燃費改善技術の概要と最近注目されている自動車の燃費低減技術の特徴
- ダウンサイジング、ターボ過給関連技術の現状と今後の動向
- その他燃費改善技術 (軽量化技術他) の動向と特徴
第2部: 自動車エンジンにおけるダウンサイジング設計のポイントとターボチャージャとの組み合わせ
(2015年11月30日 14:00〜15:30)
最近の自動車で開発中である技術に、ダウンサイズがあります。この内容には、エコノミーや環境問題も含んでおり、広範囲に及ぶ総合技術です。
講師は28年にわたり富士重工業 (株) 技術本部に勤務し、ダウンサイズを含む総合技術の実施・指導して参りました。その成果に対し、退職時に社長賞を頂くことが出来ました。
本セミナーでは、多くの車載環境が要求する、ダウンサイズの進め方及びそのデータの見方・解釈について講義するもので、現場で構築した多くの体験を実践的に解説いたします。
- ダウンサイジングの追求
- ダウンサイジング化の現状
- 必要なエンジンパワー
- 都会と郊外、高速道路運転条件の再検討
- ハイブリッドシステムでのエンジンの位置づけ
- 現行のハイブリッドシステム
- エンジンは発電機駆動源か
- 加速・増速時での考え方
- パワーウエイトレシオを阻害する要因
- ガソリンエンジンのウイークポイント
- ディーゼルエンジンのウイークポイント
- ダウンサイジングの設計ポイント
- 軽量化の追求
- リング2本化のための検討
- リング2本化によるピストン質量低減
- フリクション低減の追求
- スロットルレス化の追求
- ターボチャージャとの組合せ
- 主要自動車メーカのガソリンターボエンジンの動向
- ダウンサイジングとターボチャージャの関連
- ターボエンジンの構造とそのメリット&デメリット
第3部:海外自動車メーカーにおけるダウンサイジング・過給技術の現状と今後の展望
(2015年11月30日 15:40〜17:10)
世界的に今後15年にわたり最重要課題であるCO2削減のためさまざまな技術開発が行われている。特に中小型量販乗用車を中心にエンジンの小排気量化とターボ過給を組み合わせた「ダウンサイジング」技術の導入が進んでいる。この「ダウンサイジング」の効果をより有効にするための燃焼、過給および基本設計技術を紹介する。
- 自動車を取り巻く課題
- 自動車への規制
- 二酸化炭素排出規制と対応技術
- 過給機と過給機付エンジンの動向
- 過給機の種類と特徴
- 機械式過給機
- ターボ過給機
- 大型機関での過給機適用法
- 自動車への過給機の適用
- レースカーでの過給
- 1960年代からの乗用車への過給機適用
- ディーゼル機関への過給機適用
- 乗用車用パワートレインの動向
- エンジンの高性能、高効率化技術
- トランスミッションの進歩
- パワートレインの軽量化技術
- ダウンサイズエンジンとその技術
- ダウンサイズコンセプト
- ダウンサイズエンジンの代表例
- ハイブリッドシステムとダウンサイズエンジン
- 今日のダウンサイズエンジンの評価
- 今後の展望
- 過給機の発展への期待
- トランスミッションやハイブリッドシステムとの組み合わせ
- パワートレインの多様化と棲み分けにおけるダウンサイジングの位置づけ