第1部 高圧ガス容器・CFRP複合容器の設計・要求課題と開発動向
~燃料電池自動車市場における各種の高圧水素貯蔵用炭素繊維強化複合容器~
(2015年11月26日 10:30~12:10、13:00~14:40)
本講座では、燃料電池自動車に水素を供給するシステムを構成する、燃料電池自動車搭載用、水素ステーション蓄圧器用水素貯蔵用高圧容器の要求仕様、関連する技術基準、各種高圧容器の製造方法、要求仕様、各種高圧容器の設計・開発動向と技術課題について解説する。
- はじめに
- 水素の供給プロセス
- 各種の高圧水素容器
- CFRP高圧複合容器の製造方法
- アルミニュウム合金 (A6061) ライナの製造方法
- ブラスティックライナ (PL) の製造方法
- CFRP 層の製造方法
- 水素の急速充填時の温度挙動
- これまでに実施された各種の高圧水素関連安全性評価試験
- CFPP複合容器への要求仕様
- 各種の試験項目とその目的・概念
- CNGV及びFCV搭載容器用技術基準の比較
- CFRP複合容器の設計上の留意点
- CFRP層の設計
- Type3 ライナ用 アルミニュウム合金 (A6061 – T6)
- 水素脆化
- Type4 口金用ステンレス
- 水素脆化
- Type4 ライナ用プラスティック
- 低熱伝導率
- 水素透過性能
- 繰返し高圧水素環境下でのプラスティックライナの耐久性
- 水素ステーション用蓄圧器の設計上の留意点
- 水素脆性
- Type1 及びType2 容器の導入事例
- 今後の課題
- 海外の技術基準の動向
- 規制緩和への取り組み
- 鉄鋼材料の蓄圧器用高圧水素容器への適用
- Type4容器用プラスティックライナの耐久性の検証と開発
- まとめ
第2部:高圧水素ガスバリア材:水素社会に向けた高分子材料の課題とガスバリア性、水素耐性の制御
(2015年11月26日 14:50〜16:30)
アモルファスビニルアルコール系樹脂やエチレンビニルアルコール系樹脂は、PEの20万倍~7000倍ものガスバリア性を示す機能性材料であるが、高圧下 (70MPa~) 水素環境下で使用するにあたり結晶領域と併せて非晶領域の理解が不可欠である。今回、ガスバリア材の分子空隙サイズを支配する各因子の一般的考察と併せて、水素透過度と固体NMR13C核スピン – 格子緩和時間T1Cによる分子運動性の調査及び水素耐性と柔軟性を付与するためのポリビニルアルコール系樹脂のポリマーアロイ化検討例やナイロン系樹脂評価例などを紹介する。
- はじめに
- 水素耐性を有する樹脂開発に関わる留意ポイント
- 水素バリア性及び耐ブリスタについて
- 樹脂の水素透過度と分子運動性の関係
- 酸素透過度と自由体積空孔サイズの関係
- 高性能ガスバリア材の設計思想
- アモルファスビニルアルコール系樹脂
- 高圧水素ガス溶解量及び耐ブリスタ性を有するポリマーアロイの設計
- 水素耐性を有するバリア樹脂の選定
- ポリマーアロイの設計
- 70MPa曝露試験前後のポリマーアロイの分子運動性と水素バリア性への影響
- SSRT (水素脆化感受性) 、形態観察
- 高圧水素ガスバリア性の検証
- 高圧水素用多層ホースでの検討例
- 超高圧ガス用複合材料容器用バリア材試験片による性能評価
- 樹脂の課題と対応例等
- まとめと課題