がん治療薬開発でのドラッグリポジショニング戦略

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第1部. コラボレーションを活用したドラッグリポジショニング戦略

(2015年12月4日 12:00〜13:30)

 薬剤候補が開発過程でドロップアウトしてしまうリスクを効果的に管理することが、医薬品開発の重要課題の一つである。さらには外部環境の変化に積極的に対応できるビジネスモデルを展開して、より生産性の高い新薬の研究開発を念頭に、コラボレーションを活用したドラッグリポジショニング戦略を具体例で紹介する。

  1. 新薬開発において先端サイエンスを最大限活かし、リスクを管理して、より生産性を高める戦略とは
  2. 連携戦略が益々重要性を増しているが、パートナーシップ、コラボレーションをいかにイノベーションにつなげるか
  3. 具体例の紹介
    1. がん免疫疾患
      • EP4 拮抗薬
    2. 認知症 (アルツハイマー)
      • 5HT4 部分作動薬
    3. 加齢黄班変性
      • 血管新生抑制点眼薬
    4. 動物薬への転用
      • 疼痛 (EP4 拮抗薬) および食欲増進・悪液質 (グレリン作動薬)

第2部. 2型糖尿病治療薬のがん治療への活用とその免疫評価法

(2015年12月4日 13:45〜15:15)

 がんの治療法として近年、免疫療法が注目されているが、その中の一つ、免疫チェックポイント阻害剤 (抗体医薬) は化学療法を凌ぐ程の効果を有することがわかった。癌治療に革新の波が押し寄せる中、しかし一つの懸案がある。膨大な費用の側面である。 2型糖尿病治療薬メトホルミンは、1錠10円程の安価で安全な薬だが、免疫チェックポイント阻害剤と類似の作用と効果があることが明らかになってきた。メトホルミンを上手く活用すればコストパフォーマンスを改善し、既存のがん免疫治療の効果を飛躍的に高めることが可能である。

  1. メトホルミンとは
  2. 糖を取り込み血糖値を下げるインスリンとメトホルミン
  3. メトホルミンとAMPK経路
  4. メトホルミンで何故、固形癌が拒絶されるのか
    1. メトホルミンと発癌率・癌死亡率
    2. メトホルミンと固形がんの拒絶
    3. メトホルミンと腫瘍に浸潤したキラーT細胞の運命
    4. メトホルミンと免疫評価法
    5. メトホルミンと制御性T細胞
    6. メトホルミンとマクロファージ
  5. メトホルミンと活性酸素
  6. メトホルミンとがんワクチン
  7. メトホルミンとT細胞輸注療法
  8. 臨床応用へ向けての準備
  9. 理想的ながん免疫療法へ向けて

第3部. 医薬ビッグデータに基づいたがんへのドラッグリポジショニング

(2015年12月4日 15:30〜17:00)

 近年の新薬開発の低迷を打開する創薬戦略として,既存薬の新しい効能を発見し,本来とは別の疾患治療薬として開発するドラッグリポジショニングが注目されている.本研究では、既存薬の膨大な基礎資料や臨床情報と、生命医科学で大量に生み出されてきた遺伝子、タンパク質、化合物、疾患に関する医薬ビッグデータを融合解析し、様々な疾患に対して効能を持つ既存薬の候補を予測するインシリコ手法を開発した。本講演では提案手法の特徴にふれ、がんへの応用をいくつかの事例により紹介する。

  1. データ駆動型の創薬へ
    1. ドラッグリポジショニング
    2. 医薬ビッグデータ
  2. 医薬ビッグデータに基づくドラッグリポジショニングのインシリコ手法
    1. ネットワーク推定に基づく手法
      • 薬物の適応可能疾患を機械学習で直接予測する
    2. 薬物のメカニズムに基づく手法
      • 薬物の標的タンパク質や標的パスウェイの推定を介して適応可能疾患を予測する
    3. 様々なデータに基づくアルゴリズムの枠組み
      • ケモゲノミクス法
      • 薬理ゲノミクスの手法
      • トランスクリプトミクスの手法
  3. 応用事例
    1. 国際疾病分類 (ICD10) に定義されている様々な疾患への応用
    2. 提案手法の特徴
    3. がんへの応用事例

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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