〜中長期的視点での次なる事業創出のためのステージゲート運用・取組と研究現場への浸透・定着の仕組みづくり〜
(2015年11月20日 10:00〜11:30)
当社は、約100年前に、当時の財閥企業の火薬事業部門 (硝酸セルロース:後のセルロイド樹脂展開) を国策で統合されて誕生した歴史を有する。防衛事業をスタートに、様々な切っ掛けを得て、液晶テレビの偏光板フイルムやタバコのフィルター、酢酸誘導体有機材料事業、自動車のエアバック、医薬向け光学分割カラム、エンプラ事業などに展開し、その独特な市場環境からグローバルに高いシェアを有する事業展開を行っている。近年の当社業績は、これら高シェア事業のおかげで好調を継続している反面、中長期的視点での次なる事業創出への危機感も同時に増している。こういった業態の当社が、数年来取組んできた“新事業創出に向けた大胆なR&D“への施策について紹介する。
〜如何にしてゲート会議を効率的かつ効果的に運用するか。そして素晴らしいアイデアを如何にして多く創出するか〜
(2015年11月20日 12:15〜13:45)
ステージゲート法はアメリカで20年以上使用されている。製造業の約80%以上の会社で採用されているが、ゲート会議で意思決定が上手くなされているのは30%程度の会社と言われている。 P&Gは新製品開発に最も成功している企業の一つであり、P&Gのステージゲートの運用法は非常に参考になる。 日本企業での適用には日本流の運営ノウハウが重要である。 新製品開発のステージゲート法と新技術開発のステージゲート法のプロセス、運用方法を分けて説明する。 新製品開発では特にステージゲート法の運用上のポイント (ゲート会議の運用法、ゲートキーパーの重要性、評価基準、テーマの絞り方等) を中心に議論する。プロジェクトの採算性評価、研究開発ポートフォリオ管理、テーマ数のパイプライン管理等も説明する。新技術開発では新製品開発プロジェクトと新技術開発プロジェクトの違い、研究テーマの各ステージ、各ゲートでの評価方法、ゲート3での評価基準例を議論する。新規アイデアの創出、 Fuzzy Front End モデル等も説明する。
〜既存の研究開発マネジメントのどこを変え、どこを変えずにステージゲート法を導入したか
導入から8か月、改革の仕掛け人が語る新システムへの切り換え方、根付かせ方〜
(2015年11月20日 14:00〜15:30)
コバレントマテリアル (株) (旧東芝セラミックス (株) ) から阿波製紙 (株) へ籍を移して、約8カ月が過ぎようとしています。移籍当初の阿波製紙は、積極的に新商品の開発を進めているものの、新事業育成のための組織的な仕組みやテーマ探索・運用ルール、具体的なイベント計画などが、暗中模索の最中でした。特に、自社ブランドでのプロモート活動に新たな提案が必要でした。完遂半ばではありますが、技術経営の立場から、約8カ月で推進した内容と今後をご紹介しようと考えております。 本講演会を通じて、新しく事業創出や新商品開発を計画されている皆様と意見交換を交えながら議論の機会になればと思います。
〜研究の失敗は、ステージゲートをはじめとする研究管理の仕組みのまずさにより誘発されていないか?
研究管理で陥りやすい罠と成功確率を上げるための仕掛けと工夫〜
(2015年11月20日 15:45〜17:15)
企業における研究開発においては、投入する資源の効率化のため、ステージゲートを設けてgo/killの判断をすることが一般的に行われている。そして、「魔の川」「死の谷」という言葉で表されるように、このゲートを越えて進むことの難しさが語られることが多い。実際、コーポレート研究からスタートして、最終的に事業化に至る確率は非常に小さいのが通例である。ただし、それを単純に失敗と言ってよいのであろうか?一方で、研究の失敗が、ステージゲートをはじめとする研究管理の仕組みのまずさによって誘発される側面も無視できない。 本講演では、コーポレート研究の持つ意味を再度洗い直すと ともに、研究管理で陥りやすい罠や、成功確率を上げるための工夫 について述べたい。