リサーチツール特許が医薬品の研究・開発に大きな影響を及ぼすことが懸念され、また、現実に様々な支障が生じはじめて久しいが、今なお、その対応策には苦慮している。本講では、これまでのリサーチツール特許に関する課題をまとめるとともに、最近とられてきている対応を整理して課題解決の方向性を解説する。
- リサーチツール特許とは
- 特許制度の変遷 (米国におけるプロパテントから日本の現状へ)
- リサーチツール特許の守備範囲 (どういう特許か、研究開発のステージ)
- リサーチツール特許が抱える様々な課題 (代替技術、リーチスルーなど)
- 特許権の効力の在り方
- 強制実施権に関する制度/裁定制度
- 試験・研究のセーフハーバー (インテグラ事件など)
- リーチスルーとアカデミアの研究成果
- リサーチツール特許への懸念と対応 (ガイドライン、パテントプール)
- リサーチツール特許を巡る係争
- 米国における事件 (ハーバードマウス事件など)
- 日本における初期の係争とその後の事件 (実験モデル動物事件など)
- リーチスルークレームの特許成立性
- 侵害回避の考え方と取り得る方策
- 特許権の効力とその限界
- 研究ツールに関わる最近の判断 (ミリアッド事件など)
- リサーチツールを巡るその他の問題 (遺伝資源問題など)
- まとめ