本セミナーでは、リチウムイオン電池の基礎から解説し、リチウムイオン電池の充放電評価と内部抵抗評価、リチウムイオン電池を使用した大容量給電システムの製作と応用について詳解いたします。
日常生活において、我々は、家電製品やモバイル機器、精密機械、輸送用機器、産業用機械など、さまざまな電気機械に囲まれて生活している。これらを直接利用したり、間接的に利便性や恩恵を受けている。このような精密機器を含めた機械製品の設計開発や製造などを担っているのが機械系技術者である。 機械系技術者にかぎらず、一般に技術者の役割は、製品の構想から設計まで担当する設計開発と製品の製造工程を管理する生産技術に分けることができる。それぞれのチーム、プロジェクトが一緒に取り組んで与えられた分担、作業を進めることで、製品化の品質向上や一定の成果物に結びついている。 機械系技術者は、製造業のあらゆる分野で働いている。製造分野において、機械系技術者は、主として、製造設備の設計や改良、生産技術、品質検査機器や治具、これらの品質向上など製造にかかわる重要な役割を担っている。いずれの製造業種においても、生産ラインや製造設備、検査機器や治具、機器の信頼性維持、生産管理は、機械系技術者に負うところが大きい。
工場の製造設備や製造機器、検査機器の駆動用電源は、通常は、商用電源 (単相、AC100V) または動力電源 (3相または単相、AC220V) を使用している。近年、リチウムイオン電池は、高電圧化と大容量化が進み、長時間の使用に耐えるようになったため、工場全体のみならず個々の製造ラインや製造機器における省エネルギー化が検討されている。特に、太陽電池などの自然エネルギーとのコラボレーションによる蓄電システムや異常時に一時的に使用する非常用給電システムが提案、実用化され、蓄電池として大容量リチウムイオン電池が使われている。この流れは、いずれの製造業においても共通した課題、問題意識となり、特に、機械を動かす機械系技術者にとって今後重要な問題提起となってくる。