第1部 HV車の熱マネージメント技術と課題 – 熱回収、利用技術を中心に -
(2015年10月27日 10:30〜11:30)
ハイブリッド車などにおいて熱マネージメントによるエネルギー効率と熱的快適性の両立技術は、車づくりの重要課題に位置けられる。さらなる燃費向上に伴う熱需給のアンバランスにより発生する問題の解決のために広く熱の有効活用技術が必要とされている。
本公演では種々の熱回収、利用技術について紹介する。
- 熱マネージメントの目的
- 自動車の熱収支
- 燃費消費とエネルギー効率
- 実用燃費の季節変動
- 熱マネージメントの考え方と実用例
- 熱需要の削減技術2.1.1 断熱技術
- 熱需要のミスマッチ改善
- 蓄熱、熱輸送技術
- 効率よく熱を創る
- ヒートポンプ
- 熱回収→利用技術
- 排気熱回収、熱エネルギー変換技術
- 欧米における採用促進の動き
- まとめ
第2部 熱電発電技術の自動車排熱回収技術への展開
(2015年10月27日 11:45〜12:45)
熱電発電技術の原理や開発動向を解説した後、これまでの応用事例について解説し、
自動車排熱回収技術としての国内外の取り組みについて解説します。
またこれまでに行われた研究事例を踏まえ、今後の自動車応用にむけての研究開発課題などについて整理します。
- 熱電発電について
- 熱電発電の原理
- 熱電発電の研究開発動向
- 熱電発電モジュールの開発動向
- 熱電発電の応用開発事例
- 焼却炉、産業機器への応用事例
- 自然エネルギーへの応用事例
- 自動車への応用事例
- 熱電発電の自動車排熱回収に向けた取り組み
- ドイツ・欧州における開発事例
- 米国における開発事例
- 日本における開発事例
- まとめ
第3部 排気熱利用による燃料改質ガソリンエンジンの燃焼および改質触媒に関する研究
本公演ではガソリンエンジンにおいて、EGR配管経路中に改質触媒を持つオンボード燃料改質システムを考案し、原理確認を行なった改質ガス成分をガソリン混合気に混ぜた素反応計算や単気筒エンジン実験を行なうことにより、水素だけでなく水素以外の成分が燃焼性能に与える影響について考察いたします。また同時に改質触媒の耐劣化性向上に関する検討も行い、後半では実際の改質器を備えた単気筒エンジン実験を行ない、燃料改質ガソリンエンジンが成立する可能性を解説いたします。
- 研究の背景と概要
- 排気熱を利用したガソリン改質エンジンの概要
- 素反応解析による改質ガス成分の層流燃焼速度におよぼす影響
- 外部添加による改質ガス成分のエンジン性能へおよぼす影響
- 改質触媒とその単体評価方法
- 改質触媒の耐劣化性向上の検討
- EGR配管中の改質触媒による燃料改質ガスのエンジン性能へおよぼす影響
- まとめ
- Q&A
第4部 自動車用スターリングエンジンの熱源装置とその複合機関のシステム
本公演では、ガソリンエンジンとスターリングエンジンとを排熱回収システムとした場合の排気ガスの持つ温度と熱量を最大限に利用することを目的とし、理論サイクルおよび準理論サイクルを用いてスターリングエンジンが排熱回収できる仕事についてT – S線図を作成して考察します。また排気ガスを高熱源とするスターリングエンジンを試作し、汎用小型ガソリンエンジンと組み合わせた排熱回収システムについて実機試験を行い。排熱回収率ついて考究し、その実用化への問題を提起いたします。
- はじめに
- 排熱回収システム
- 供試ガソリンエンジンの仕様
- 試作スターリングエンジン
- 理論サイクルによる排熱回収システム
- 準理論サイクルによる排熱回収システム
- ガソリンエンジンのT – S線図
- スターリングエンジンのT – S線図
- 排熱回収率のシミュレーション結果と考察
- 排熱回収システムの実機試験結果と考察
- まとめ
第5部 自動車用排熱回収器システム開発による実用燃費向上の取り組み
本公演では、内燃機関自動車向け排熱回収器開発のアプローチについて解説します。
- 自動車を取り巻く情勢
- 世界の燃費規制動向
- 自動車普及はこうなる
- 普及向上のための技術課題
- 内燃機関エンジンの燃費向上
- 熱効率向上に潜む熱不足
- 廃熱を利用するメリット
- 理想的な排熱回収と排熱利用
- 代表的排熱利用技術の紹介
- 排熱回収器のテクノロジー
- 実用化事例による構造説明
- 実用化事例による機能説明
- 実用燃費向上への効果代
- 車両使用環境への適合
- 使用環境範囲の定義
- FMEAの取り組み
- 信頼性評価
- 次世代に向けた開発取り組み
- 排熱回収器進化の道
- 排熱利用多様化技術への対応