1970年代に提唱されたバリデーションは、その後の技術的進展や議論を踏まえ、2011年以降、FDAプロセスバリデーションガイダンス、EUのバリデーションガイドライン、我が国のバリデーション基準、そして2015年10月のPIC/S GMP Annex15の改正と進んできており、ハーモナイズされつつある。その概要を分かり易く解説する。
GMP省令で作成を義務付けられているバリデーション手順書をPIC/S GMPの要請するバリデーションマスタープラン (VMP) と同等の文書にするための記載内容、大規模プロジェクトで有用な個別のマスタープランの記載内容、バリデーションプロトコル (実施計画書) の具体的な記載例を紹介する。
改正PIC/S GMP Annex15、EMAの「共用施設における健康への影響に基づく曝露限界の設定ガイドライン」、検討されているICH M7ガイドラインは、洗浄バリデーションの残留許容値は科学的根拠とリスクに基づき設定すべきと提唱しており、今や洗浄バリデーションの考え方については目が離せない状況にある。これら最近の動向を踏まえ、洗浄バリデーション実施上のポイントなど実例を交えて分かり易く解説する。
新たに施設を構築する、あるいは新設備を導入する場合に最も重要なことは、施設や設備のデザインがユーザーの要求を反映しているかを充分に吟味することである。このデザインクオリフィケーション (DQ) がおざなりであると追加工事が発生してコストアップ、工期遅延の原因となる可能性だけでなく、使い勝手が悪いために、逸脱発生要因になりかねない。 本講では、特にユーザー要求仕様書作成時の留意点と、DQ時のチェックポイントを重点的に解説する。