グリースは簡単なシール機構で保持でき、少量でも長期間の潤滑が可能なため、古くから多くの機械要素の潤滑剤として用いられてきました。とくに今日、グリースの用途は、自動車や鉄鋼設備などの各種部品はもちろん、半導体や情報、通信産業あるいは食品産業等の分野にも広がっています。さらに、機械装置の高温・高速条件での使用、小型化、安全性と地球環境への配慮などに対応するため、従来の潤滑性能ばかりでなく、グリースの新たな高機能化、高付加価値化への要望が高まっています。 本講習では、潤滑技術に関心のある技術者を対象に、潤滑の基礎、グリースの組成、選定と試験法、レオロジーと潤滑作用、劣化と潤滑寿命などとともに、転がり軸受のグリース潤滑、各種用途の最新適用事例、環境調和・安全性への対応、使用法などをわかりやすく解説します。