本セミナーでは、伝熱解析の基本概念をやさしく解説いたします。
熱で課題を抱えている方にも参加していただきたい入門セミナーです。
機械は、何らかのエネルギーを得て人や社会に役に立つ仕事をしますが、エネルギーを100%仕事に変換することは不可能です。機械が仕事として取り出せなかったエネルギーは、最終的にすべて熱エネルギーとして排出されるので、機械と熱は切っても切れない関係があるのです。したがって、適切な廃熱処理や熱エネルギー変換が重要となります。伝熱工学とは、熱の流れを知り、機械を有効に動作させたり、物質に温度場や熱の授受を行ったりして工学的に利用するものです。伝熱工学は、先端工業技術分野、生体・医療・食品分野、各種設備への応用、民生用品への応用など多くの分野で活用されていて、身近な機械や産業プラント、衣・食・住に関わるものなど多岐にわたっています。最近では、省エネルギーの観点から熱交換器に関する社会的な要求が高まっており、伝熱性能が優れた熱交換器が求められています。 本セミナーでは、分野や経験年数を問わずに技術者が出会う熱に関する問題を解決するための基礎知識を身につける事を目的とします。また、最近では熱をよく知らなくても簡単に伝熱解析のソフトをコンピュータで動かすことができるので、問題の本質を見極めることなく誤った結果に基づく議論がしばしば起こっているようです。これらの多くは、数値解析の基礎知識をほんの少し持っていれば回避できるのです。本セミナーでは熱の伝わり方を易しく述べるととともに、伝熱解析の基本概念をやさしく解説します。また、伝熱解析における差分法や有限要素法による数値解析についても解説し、厳密解、数値解、実験による解の違いを理解し、実務で伝熱解析を活用できるようにします。また、熱交換器の設計を例に、熱設計の基本知識について解説します。放熱、吸熱を伴う機器を扱っている技術者や伝熱解析を行おうとする技術者、熱に関連するいろいろな分野の方に受講をお薦めします。