(2015年11月10日 10:30〜12:00)
近年、運転支援システムの実用化が進みつつあり、ドライバに対して様々な運転支援が可能となってきました。ドライバの運転を支援するためには、“運転とは何か?”を改めて深く知ること、すなわち、ドライバは実環境においてどのような運転をしているのかを定量的に理解することが必要不可欠です。そのための方法の一つとして、実環境における運転行動データを収集した「運転行動データベース」があります。そして、運転行動データベースと運転支援システムをつなぐインターフェースの役割をするのが、「運転行動モデリング」といえます。 本セミナーでは、運転行動データベースについて紹介すると共に、運転行動データベースの活用事例として、交差点やカーブという道路環境での運転行動モデリングについて紹介します。
(2015年11月10日 12:45〜14:15)
人間の行動は、ほとんどが無意識下で決定され、意識して行動することは少ないものです。本講座では、この無意識での行動特性から見たドライバの運転行動と応用について解説します。内容としては、無意識を考慮したドライバモデルが妥当であることを示し、警報システムへの応用を紹介し、走行状況の運転行動の違いから渋滞を予測する手法について話します。また、運転行動の違いは、ニューラルネットワークとサポートベクターマシーンで解析するため、両者の基礎についても解説します。
(2015年11月10日 14:30〜16:00)
ドライバの判断迷いは特に信号交差点内の交通事故の一つの要因と考えられる。判断迷いの要因を分析した上でドライバの判断や意図を動的に推定できれば、予防安全上の有益な支援策が期待できる。本講演では、まず過去の先行研究を整理した後、ドライビングシミュレータ実験を通じて判断迷いの評価を行う。さらに、ロジスティック回帰分析 (LRA) を用いて黄信号に直面したドライバの通過または停止の意思決定要因を明らかにし、この結果を踏まえて、車両状態量の計測データをフィードバックすることで通過または停止の意図を推定する試みを紹介する。 LRAというプリミティブな方法ではあるが簡便に意図推定を行う可能性に言及し、この結果を応用した運転支援の実現についても考察する。