第1部
低温排熱等の有効利用を考える中での発電技術の動向と高性能化のための課題
(10:30~12:00)
地球温暖化ガス25%削減という課題、さらには化石燃料の枯渇にともなう価格上昇という背景の中で、100℃以下の低温排熱の有効利用という課題を、広い観点からまず考え、現在考えられる技術課題をまず整理する。そして、その中での、バイナリー発電技術の動向と、高性能化への課題を考える。
- 地球温暖化ガス25%削減という課題にどう取り組むべきか?
- 未利用エネルギーの活用
- 有効利用のためにはどういう技術があるのか?
- いろいろな技術の中でのバイナリー発電技術
- 例題として太陽光発電技術を考える
- バイナリー発電システムの基本構成
- バイナリー発電システムの基本構成と性能を支配する要素について
- 媒体として何を採用すべきか?
- システムの特性解析に関する基本的なアプローチ
- バイナリー発電システムの特性解析と高性能化
第2部
カリーナサイクルの基礎と国内外の開発状況
(12:30~13:50)
カリーナサイクルは1980年代に発明された新しい技術です。アンモニアと水の混合媒体の性質を利用し、吸収式冷凍サイクルと類似したプロセスをうまく利用することで、低温熱源からの発電に適したサイクルです。
基本原理から国内外における開発状況および開発課題について、いくつか取り上げご紹介します。
- 吸収サイクルの基礎
- アンモニア・水混合媒体の特性
- 状態量の推算法比較
- 輸送係数
- カリーナサイクルの原理
- 熱源温度と適切なサイクル形態との関係
- 吸収式冷凍サイクルとの比較
- 適用材料
- 冷凍サイクルとのハイブリッド化
- 国内外の研究事例
- 国内における研究・開発事例紹介
- 海外における研究事例
- まとめ
第3部
作動流体にアンモニア/水を用いたランキン・カリーナサイクルの高性能化
(14:00~15:20)
現在,我が国の産業界は,種々の省エネルギ化技術を導入して,大幅な省エネルギ化を図る必要が出てきている。
この省エネルギ化技術は、利用できる熱源が低温度、低温度差であるために熱源に対応したシステムの構築が必要となる。そのために、最適な作動流体を選定して、システム全体の高効率化を図り、同時にシステムの構成機器の高性能化技術も重要となっている。
本セミナーは、排熱を利用する発電システム (ランキンサイクル) について、作動流体に環境に優しい媒体のトリフロロエタノールを使用した場合、作動流体にNH3 / 水を使用した発電システム (カリーナ,ウエハラサイクル) 等の場合の性能について述べる.
- はじめに
- 省エネルギーシステムの現状
- 省エネルギーについて
- 研究・開発の問題点について
- システムについて
- 作動流体について
- 構成機器について
- 発電システムの検討 (1例)
- 排熱を利用した発電システム (ランキンサイクル) の場合
- サイクルの熱効率
- 評価関数
- まとめ
- 作動流体にNH3 / 水を使用した発電システム (カリーナ,ウエハラサイクル) の場合
- サイクルの熱効率
- 作動流体の質量分率とサイクルの熱効率の関係
- まとめ
- おわりに
第4部
開発実例紹介:分散型低温排熱回収発電設備 グリーンバイナリータービン
(15:35~16:35)
2009年度に製造・据付工事を完了し、2010年度よりデモンストレーション運転を開始した分散型低温排熱回収発電設備の紹介と、製品の特長の説明。排熱源との組合せ例の紹介を行う。
- グリーンバイナリータービンの紹介
- 開発コンセプト
- 過去の実績紹介
- グリーンバイナリータービンのシステムフロー
- 温水と発電出力の関係
- タービン発電機の特長
- 配置構成例
- 熱交換器の特長
- 電気・制御系統構成
- 運転特性
- 適用例
- まとめ