本セミナーでは、クリーム・ゲル・液状物質について「人間の触覚知覚メカニズムと触感の評価」、「レオロジー特性と感触」、「使用感に優れたクリーム・ゲル・パウダー型化粧料/医薬品の処方設計」の3つの観点から解説いたします。
はじめに、ヒトの触覚知覚メカニズムを概説する。まず、指などの無毛皮膚部には4種類の触覚受容器が存在していることや、その基本特性を概説する。また、有限要素法を用いたヒト指の変形解析結果を示す。 次に、講演者が開発した触感センサについて述べる。続いて、人工皮膚の開発と、皮膚上塗布物のトライボロジ特性と触感の解析結果について述べる。 特に、「べたべた」「しっとり」「ぬるぬる」の違い、「さらさら」「すべすべ」「つるつる」の違いについて述べる。
レオロジーとは何を測定し、何に役に立つのかを粘度測定について化粧品や食品を対象として解説し、化粧品開発で利用された分散状態の評価方法としてのレオロジー測定について解説する。
化粧品や皮膚外用剤の目的は皮膚を健やかに保ち、より美しくすることである。しかし、最新のバイオテクノロジーやナノテク材料を処方中に盛り込んだとしても、必ずしも使用者の心をつかめるとは限らない。どんなに効果が高くても、塗りにくかったり、不快なべたつきが残るクリームは毎日使い続けてもらえないのだ。 本講演では、塗り心地が良く使用感に優れたローション、クリーム、ゲル状化粧料/皮膚外用剤の処方設計の基本的な考え方を概説した上で、具体的な処方例を交えて最新の知見を紹介する。