現代の医療・ヘルスケア市場の拡大に伴い医療ニーズは多様化しています。医療製品の性能を決定づける革新的な医療用高分子の創製を実現するためには、医療現場のニーズを的確に捉え、複数研究分野の連携が必要不可欠です。
本講演では、医療現場を熟知した臨床サイドの先生方のニーズを踏まえ、医療製品が使用される水和環境であるバイオ界面の理解と精密合成技術による医療用高分子の設計の最先端について紹介します。
- 医療現場のニーズ
- 健康長寿社会で使用される製品
- 臨床医のニーズ
- 医療製品と生体との接触界面で何が起きているのか? – 異物反応の仕組み -
- 細胞レベルでの相互作用
- 分子レベルでの相互作用
- タンパク質の吸着と構造
- 水分子の吸着と構造
- 生体適合性高分子材料について
- 臨床応用されている合成高分子
- 水溶性高分子、非水溶性高分子
- 天然高分子
- 生体適合性合成高分子と天然高分子の共通点と相違点
- バイオ界面の重要概念 ~水和構造・運動性~
- 材料に含水した水和状態の解析方法
- 水の構造の分類
- 中間水の役割
- 材料表面の物性と水和構造
- 細胞の接着選択性を示す材料
- 正常細胞
- 癌細胞
- 幹細胞
- 生体適合性材料の精密合成
- 生体適合性高分子の精密合成
- 生体適合性と生分解性を併せ持つ高分子の精密合成
- 生体適合性と抗感染性を併せ持つ高分子の精密合成
- 開環メタセシス重合による側鎖間隔を変更した高分子の精密合成
- 製品化へ向けた将来展望
- 中間水コンセプトによるハイスループットスクリーニング
- 次世代医療へ向けた分子設計